「小説は漫画に勝てない」と豪語する大人の話

 これの反論で、例えば叙述トリックみたいなのはどうする、とか言うんだが、私が考えるだけでも何通りもの漫画の技法が思いつくわけよ。極端な言い方しちゃうとさ、「漫画の中に、作中作のように小説部分を作ってしまえば解決する」ということさえ、漫画だと出来ちゃうんだわ。漫画って割と万能なのよ。


 だけど、逆はなかなか難しいっしょ? これは、書き手は作ろうと思えば作れるけども、受け取り手の方で「こんなの小説じゃねぇ!」て拒否したじゃん、て。



 つづく~。(メシ作ってくるわ)



 続き。


 これ、漫画と小説はそれぞれ表現の効果が違うわけなんで、似た効果を出す方法はどっちも備わっているから、どっちでも表現は出来ると思うの。だけど、例えば小説を書く側が、漫画を描くようなつもりで、漫画が描けないから小説で書いたなんて感じで書いたモンは、下手すりゃ同じモンを漫画で描かれた日にゃあ、負けるよね、て。


 逆も言えて、小説のコミカライズでも、わざわざ漫画に変換するわけで、そこをまんま原作通りで翻訳しただけの絵面だったら、原作に劣る出来にしかならないと思うよ。劣化版を作っただけなわけだから。


 表現方法が違う、ということをどれだけ明確に自覚しているかで変わるでしょ。



 追記:


 ただし、小説の弱点として、絵を付けられた途端に征服されてしまう、てのはあると思うのね。「美しい景色だった。」とだけ書いたら、これはもう問答無用で一番メジャーな映像化作品によって塗り替えられる。僅かな抵抗は、筆を尽くして描写して、読者個々人に強烈な牙城を築いてもらうことくらい。「原作レイプだ!」みたいな評価が聞こえてきたなら、ほんとは原作者としては喜ばなくちゃいけないくらいなんだよね… ビミョーなトコだ… 「映像化不可能」と言わしめた作品、そして本当に可能でないまま「画像なし」を保っている作品がどれほどあるだろうか、と。

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