カクヨムコンテスト

 追っかけている告発エッセイ「ぼくの中の歪んだ世界」で、色々とヤバそうな事実が発覚しまくっているカクヨムシステムですが、どうなんざんしょ。


 正直、Web上のコンテストなんざ何処のであっても信用なんかしてませんので、この告発は私からしたら「今さら」だったりしますが。


 別にカクヨムに限って劣悪なわけじゃないですよ。どこも一緒。


 紅白歌合戦のネタ話の時も書いたけど、視聴者票なんてのは1票分しか価値を与えてないんですよ、そのくらい信用が置けないと昔々から言われていた。(あれはまた進行の都合ってのもあったでしょうけど)


 マーケティング理論を学べ、というのは事あるごとに書いてますが、マーケティングの何を学ぶべきかは解かっているでしょうか?

 ユーザーをいかに騙すか、ですよ? つまり、ユーザーというのは信用すべきではなく、最初から標的にして騙すつもりで掛かるべき相手、という理屈をちゃんと学んでおけ、という意味です。マーケティングの本に書いてある事柄なんてオールそれでしょうに。


 そういう無関係の努力が面倒だという人だって多いでしょうから、そういう人はWebでの、読者投票がモノを言うようなコンテストは捨てて、公募の賞に出しなさいとアドバイスをしているわけですよ。

 実際、カクヨム始まった当初はけっこう居たはずの、公募組の書き手は見えなくなっているという噂ですよ? 引き上げちゃったんでしょう。賢いです。


 一番いけないのは、Web小説の幻想を捨てきれず、マーケティング戦略を卑怯と断じて、読者選考を馬鹿正直に信じてしまう事ですよ。


 工作なくして浮上できるなんて思ってたとしたら、それは考えが甘い。


 Web選考というのは、工作するのが前提の賞です。


 文章などテキトーでいい、あらすじとタイトルに注力し、冒頭の「あっと言わせる仕掛け」に全力を注げば、8割成功です。後の2割は宣伝に向けなさい、悪い事は言わない。(だから私は講評を頼まれても冒頭しか読まないんです)


 特にキャラ小説というモノの特性として、最初が肝心で、とにかく読む気にさせさせてしまえば、後はほぼ自動的にキャラの魅力というものを「読者自身が勝手に作り出してくれる」ので、作者はキャラクターに注力する必要などないんだから。


 どっかで書きましたよね、私。この世に、面白くない物語などない、て。


 読者が勝手に線引きをして、理由を付けて、面白い面白くないを決めているだけなので、その読者個人個人で面白くない理由なんてのはてんでバラバラですよ。それを体系立てて考えたって無駄ですよ。面白さをマニュアル化出来ないのは、それが個人の恣意性に左右されるからですもん。


 で、面白いことに、人は他人の付けた評価に騙されますんで、ランキングというのはそもそもで、騙しのテクニックなわけですよ。


 面白いと信じたから、その物語はその人にとって、面白いというだけです。


 で、Webの読者選考というのは、こういう過程で噂話に乗っかって、面白いと評価された作品を面白いと信じた人に支持された作品を選び出す、という事なので、所属グループが変わればもちろん、その支持層は居ないわけで、メッキが剥がれる、と。市場に出回って爆死した作品なんてのは、落差が激しかったからこその現象。


 この落差ってのは、工作の結果で履かせた下駄の分も入ってきますんで、特にこういうポイント工作ってのがまかり通るようになったら、いずれWeb選考そのものが廃止される流れになるだけですわ。


 出版社は「市場に出回っても売れる作品」が欲しいのが本当なんだから。


 読者を下読みの役割に、という考え方は一見良さげに見えたんだけど、思わぬ落とし穴がありましたね。読者のすべてが、選考会が委託する下読みさんのようなスキルを持っている人ばかりではない、という落とし穴がね。


「この作品、面白いんだってさー、」というので読み出す作品と、たまたま手に取った作品の帯に「○○で人気!」と書いてあったとして、その読者の心理に働きかける作用は雲泥の差があるわけですわ。今では。クチコミの威力は大きい。


 だから、市販小説では質の担保というものには喧しかったわけです、かつては。

 今は物流作戦で、薄利多売に転じてしまったんですねぇ。薄利多売。


 だから作家が儲からない。


 売り上げ総数はあんま代わり映えないと思うんだなぁ、参入数が膨大で末端の実入りが極寡少となっただけで。



 ついでに。

 マーケティング戦略の流れで言うと、次に起きる(もしくはもう起きている)のは、物流用の商品とハイエンド商品との分離。車の世界見てれば解かるよ、幾つかのクラスに分けて、廉価品として大量流通させる商品群と高級車として一部のニーズに合わせる商品って具合に、質によって製造コストにも差を付ける戦略だ。


 もう始まっているかも知れません。

 信じるか信じないかは、あなた、次第。(都市伝説風)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る