消えた子供達

山下英明

第1話

「おりこが消えた」

 近くの池で帽子が浮かぶ。水底から靴が見つかる。希望が絶望に変わる。

「りりかが消えた」

 高い建物から落ちて息絶えた。

「こどもが死んで両親はとても悲しんだ」

 とても悲しんだ。

「しかしこれだけで済まない事件」

 また一人子供が消える件。これは一体どういうこと?

「んんんんんん?」

 お巡りさんは眉間にシワを寄せ首をひねる。頭を捻って心ねじれる。

「だいきが消えた」

 公園で一番大きい木の枝に太いロープ。ぶらりぶらり宙で体が揺れる。

「ふたりで済まない」

 済むはずがない。

「りりかの友達きりこが登場」

 彼女はたまらず口を開いた。おりこと二人に何があった?

「きりこが話す二人とおりこのつながりまたは関係」

 三人は友達?そうじゃない。

「おりこを池に落とした三人に悪気はなかった」

 ほんのいたずらのつもりだった。だがとんでもない事態に。三人は逃げた。

「つまり、どういうことだ?おりこは事故で?では後の子は?」

 あれ?でも人数計算合わないような。

「けつ末はとても悲しくやりきれない」

 解明されるはずの事実。明らかになるはずの真実。でも今は明らかにされない。

「ろんより証拠」

 大人の想像では理解出来ない事がある。そしてまだ終わっていなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

消えた子供達 山下英明 @yamashita008

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ