【短編集】女子中学生を○○○○に改造するだけの簡単なお仕事。他
深海
TOKYO
女子中学生を○○○○に改造する!
○○○○を使った簡単なゲーム
「…………。」
私、
それは、「娘」を取り戻すためである。
5年前に娘とここ、頭狂県へと旅行に来たことを思い出す。この吉里のあたりは芸術都市として名高く、この世の全ての怒りを込めたようなアートがそこらじゅうに転がっている。発狂した芸術家は皆、ここに集まってくるらしい。だから娘と共に見学しに来たのが間違いだった。
娘は洋服店で目を放した隙に失踪してしまった。店の前でずっと待っていたのに出てこなかったのだ。警察にも相談したが取り合ってもらえなかった。彼女は忽然と、姿を消してしまったのだ。こんな狂った街へ娘を連れてきたことを死ぬほど後悔した。私は父親失格だ。だが、2年の歳月をかけてこの狂人街を調査した結果ついに分かったのだ。
娘は闇カジノに捉えられている。
しかし闇カジノに「入れて」といっても入れてくれるわけが無い。都市伝説として流れる闇カジノの実態は、高級売春クラブ。有名政治家やタレント、そして暴力団が地下深くで「女子中学生」を取引しているという吐き気のするものだった。私のような一般人が客として入れるわけが無い。
時間が無い。
娘が捕まった時、中学一年生だった。もう二年たっている。つまり、女子中学生ではなくなってしまうのだ。そうなれば何をされるか分からない。すでに商品ですらなくなった娘を、闇の人間達が生かしておくわけないのだ。
そこで私はカツラをかぶり、ブラジャーがずれていないか確認をする。
そしてランドセルを引っさげる。
ショーウィンドウにうつる自分の姿を見る。
うん。スカートも似合っている。女性ホルモンはバカにできない。
今の私は、どう見ても女子中学生だ。
娘の友達に、娘を助けるためだと説得し譲り受けた制服。ホンモノだ。
そう。客としてではなく、被害者として入れば良いのだ。
とりあえずJCオーラをばら撒きながら頭狂を練り歩く38歳サラリーマン。
しかし低身長が幸いしてか、すぐさま奴らはやってきた。
「おじょうちゃん、飴ほちくない?」
「ほちい!」
考えられる限りの愛嬌を振りまき、手を伸ばすと、男達にスタンガンを押し当てられた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「……おい、起きろ゛ォ!!」ドゴォ!!
股間を思いっきり蹴り潰される。激痛に目が覚める。
20歳ぐらいの男が私の前に立っていた。
すごく暗い部屋に閉じ込められている。が、拘束はされていない。
だが下半身が裸だ。恥ずかしい限りだ。制服も女児用下着も全て剥ぎ取られていた。
「おい、おまえずいぶん立派なもんもってんじゃねえかよ!!」
ばれていたようだ。
「……娘を返せ。」
20歳ぐらいの男は、にやつきながら答える。
「いっぱいいるから誰だかわかんねーよ。そうだ、倉庫に保管してるからなんなら探してきてやろうか?どんな顔だ?父親似だったら心当たりがあるような気がするなあ?」
その邪悪な笑みに、私は最悪の展開を予想した。娘は殺され「モノ」として保管されているのかもしれない。守ってやれなかった。早くも涙が流れる……。
「2036年8月20日に失踪した女子中学生だ!!娘を返せ!!」
「…………安心しろ、たぶん生きてる。かろうじてな。」
かろうじて……か。娘は死ぬよりも辛い目に会っているのかも知れない。心配で胸がつぶれそうになる。
「ははは。あの娘は上質なんでな。倉庫に雑に保管したりはしねえよ。そもそもあの誘拐は余計だったんだよ。女子中学生なんざ連れ去らずともいくらでも沸いてくるからな。無駄話が過ぎたか。さあ、娘を助けたいなら、ついてこい。」
拳銃を突きつけられる。しばらく歩かされ、連れてこられた部屋はカジノのVIPルームだった。しかし何だ?人生ゲームが机の上に置かれている。そして席が二つしかなく、片方には明らかにカタギではない30台ぐらいの男が座っている。
「座れ。」
「……。」
「女装までしてここに潜りこんでくるとは。素晴らしい父親だよ。どうだい。ここでお互いの人生のどちらが『価値』があるか勝負しようじゃないか。この『すごろく』ではルーレットは使わない。代わりに、サイコロを使う。」
そういうと男は、机の下から
「おと...ぅ……ザ……た…スケ…て」
娘の変わり果てた姿に、怒りを抑えることが出来なかった。
「貴様ぁあああああああああああああ!!」
殴りかかるも、軽くひねられる。強い。
「まてまて。暴力は賢くない。この世はゲームだ。ゲームに勝ったものがこの世の勝者だ。君が勝てば、娘を開放しよう。だが勝てなければ……。ふふふ……。私は女装男しか愛せない人間でね。君をすぐ殺さないのはそういうわけだ。君は一生人工肛門で過ごすことになるだろう。」
おぞましい。女装好きが全員ホモだと思うな。人工肛門など、真っ平ごめんだ。
「……絶対に勝つ!!勝ってみせる!!」
「ルールはサイコロを使う以外、一つを除いて普通のすごろくと同じだ。1~6までしかないからゲーム進行はゆっくりとなるがな。」
「なんだ、その特殊ルールは?」
男は、信じられないことを口に出した。
「自分の番に毎回1発だけサイコロを犯しても良い。それだけだ。簡単だろう?」
つづく。
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