第7話 梓川恋華の帰郷
早朝の空港ロビーで、
「うぅ……頭重い。体痛い」
激しく
さらには自身の
「1級感染者の修正プログラム作成ってやっぱ
そう言うと
「日本に着いた
あの騒動の後、予定時刻より1時間ほど
国際機関である【カントルム】の
世間一般的にはその存在を知られていない悪魔
そこに
世界百数ヶ国で
彼女はケータイを手に米国のカントルム本部へと連絡をとった。
2コールで電話に出たのは落ち着いた声の女性だった。
『ああ。
「はい。イクリシア先生。何とか
電話の相手である
『気にするな。ひと暴れしたせいで
「はい。それも1体は正常者を
『1級感染者か。ヒヤヒヤしたんじゃないのか?』
わずかに面白がるような電話の向こうの声に
「はぁ。しましたよ。無事に私の脳が仕事をしてくれてよかったですけどね」
『そうか。思っていたよりも出来る相手のようだな。事前に伝えた通り、日本側での協力者と落ち合ってくれ』
「はい。イクリシア先生」
『待ち合わせ場所は事前に伝えた通り。時刻は午前9時前後。今回の件、しっかり
「
平日の早朝とはいえ、空港の客足は決して少なくない。
せわしなく行き
同じ航空便に乗っていた乗客と副
明らかに
カントルムにおける数年間の研究の結果、それらは
その
それはまるで他者のパソコンに不正アクセスをして、それを
そして脳を
こうした
「二人同時にクラッキングできるってことは、場合によってはもっと多くの人を同時に
そうつぶやくと
もしここで
想像して
「……私は絶対に引くわけにはいかない」
本音を言えば、危険な
それでも彼女には後ろを向くわけにはいかない理由があった。
(父さん。母さん。
3年前まで彼女はこの日本で両親と10歳
だが、ある事件をきっかけに両親は心と生活能力を失い、今ではカントルムの
二人ともただ食事を取り、
そして
左手の人差し指にはめられた指輪型霊具【スクルタートル(調査官)】によって不正プログラミングを
それこそがそれぞれ何千通りもある
それがいずれこの
(必ず元に
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