仏陀戦隊シャカレンジャー

亀井こつじ

如是我聞

これは俺が聞き、俺が記す、世界の終わりをめぐる物語だ。


可愛がっていたわんちゃんが死んでしまってね。その代わりにあなたをもらって、育てることにしたのよ。母は俺をシロと呼んだ。俺はシャカホワイト。仏陀戦隊シャカレンジャーの一員だ。


裏敦煌文書の解読が進み、五六億七千万年先のはずであったマイトレーヤ、和名弥勒菩薩、の下生が既に始まっていることがわかった。同じころ、未知の生命体が人々を襲う事件が起こった。国連安保理事会は、その生命体を天人と名づけ、天人及びマイトレーヤの動向を監視し、それらが人類に危害を及ぼすようであれば武力で排除することを目的とした組織を作った。それが、仏陀戦隊シャカレンジャーである。


紹介しよう。

シャカレッド。本名、ボディーダルマ。和名、達磨大師。少林寺拳法の使い手。


シャカブルー。ゴータマ・シッダッタ。お釈迦さま。なぜか、中学二年生の女の子の姿をしている。もちろんリーダーだ。

ジロジロ見るなよ、シロ君。方便だって言ったろう。ぺろぺろ。

そう言ってご自分のおでこをなめてみせた。


シャカゴールド。サハスラブジャ・アーリア・アヴァローキテーシュヴァラ。千手観音。隠し持った多数の武器に注目。呼びにくいから、俺は観音さまと呼んでいる。


シャカブラック。マンジュシュリ。文殊菩薩。計算機セキュリティの専門家。いつも黒い帽子をかぶり、グーグル・グラスをかけている。念ずるだけで、大蔵経データベースを検索できるらしい。後にゴータマさんを殺そうとする。


シャカピンク。ヴァスミトラー。婆須蜜多。華厳経入法界品に出てくるきれいなお姉さん。


偉い人ばかりだろう。俺は、シャカホワイト。みなさんのお世話をさせてもらっている、パシリのシロ君だ。

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