新たに問題児が異世界から来るそうですよ?
リール・ルナ・マリン
第1話 箱庭世界に問題児が来るそうですよ?
中学二年になった白髪の少女はこの世界に退屈していた、何も起こらない世界に、目的の不明瞭な生活に。積もりに積もった気持ちがふと表に出た
「なんか面白いこと無いかな…。」
月夜見白夜は溜め息混じりに呟き、空を仰いだ。空を見てたって何も変わらないが、雲の流れがいきなり逆行したので見上げただけである。
その時、横薙ぎの強風が吹き雲間から封書が不思議な軌道を描き落ちてきた。
封書に差出人は書かれておらずただ月夜見白夜殿へと書かれていた。
白夜は差出人不明の手紙を怪しむことなく開封した。中身には
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。 その才能を試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの“箱庭”に来られたし』と書かれていた。
読み終えると文書が輝きだし白夜を包み込み視界を一瞬奪われ高度4000mほどの位置に放り出された
目の前に広がった光景は地平線に見える世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁。その手前には巨大な天幕に覆われた都市が幾千にも連なっていた。
そして真下には湖が大きな口を開けていた。白夜は大きな音と水柱をたてて着水した。岸に上がった白夜は服に染み込んだ水を瞬間的に凍らせ、振り落とした。そして手紙の差出人を捜すこととした。捜し始めて僅か2歩ほどで茂みの中に青い耳が見えたのだ。その耳の方に2mほどの氷塊を投げつけた。木々を薙ぎ倒して青い耳の持ち主を空中に逃がし、足元にゼロ摩擦の氷を創った後、跳んでいるうさぎの耳を掴み氷の上に叩き落とし黒うさぎを捕獲した。
黒うさぎは驚きが隠せない様子でというよりは怒っているようにも見えるくらい息を荒げて
「なんなんですか!いきなり攻撃を行うなり黒うさぎの素敵耳を掴んで叩き落とすとは!」
そんな黒うさぎを無視し、隠れているもう一人の方に視線を送ると、茂みの中から一人の少年が姿を現した。
「お、黒うさぎもう捕まったのかよ。 お前な
かなかやるな。」
少年は30センチも下にある白い髪の持ち主に笑って声をかけた。
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