僕の感覚
カラス
第1話
僕の命は一瞬にして奪われた。
そやつは僕のことを軽々と踏み潰す。
どこかのアニメかマンガで見たことがある。
しかし、ここはそんなにファンタジーに溢れた世界ではない。
じゃあ、ここはどんな世界だ?
そんな疑問がみんなの頭の中をグルグルと回るだろう。
僕は進化を続け、陸へと出た。
地球という大地に舞い降りた。
近くには川があり、泳ぐというのがいつもの日課となっている。
水の中は良かったな……。
確かに敵は多いし、すぐ喰われる可能性がある。
しかし、それでも陸よりも危険が少ないに違いない。
だからと言って、陸に出てきたことを後悔してはいない。
水中では見ることのできなかった色々な光景を目にすることが出来た。
肺呼吸というのは少し苦しい。
しかし、最初の頃だけだった。
慣れれば前の時よりも大きな空気、風を感じることができるようになった。
僕が陸に出てから1週間ほどが経った。
そして、今の状況へと陥っている。
動物は死ぬと転生をするなんていう噂を聞いたことがある。
次に、どんな動物に転生してみたい?
フリートークとしては定番の話だろう。
死ぬというのがどういうことなのかよく分かっていなかった。
痛いのか、暑いのか、苦しいのか、寒いのか……。
そして、自分がそんな状況になってみて、わかる。
痛くも、暑くも、苦しくも、寒くもない。
死ぬのは一瞬のことだからだ。
僕は人生を全うに生きてきたつもりだ……カエルとして。
次はもっと命が長い方がいいなぁ……そんなことを思いながら僕は次の人生へと歩み始める。
僕の感覚 カラス @yesnokouki
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