創作論アラカルト

ぐうたらのケンジ

第1話 ちょっと冷静になって考えてみよう

ここで小説なりラノベなりを書いている人間は、自分の作品をもっと読んでほしいとか、そのためになんならプロになったっていいと思っているひともいる場合もあるだろう。


まあ、ちょっと落ち着いてお茶でも飲みたまえ。


仮に、本当にプロになったとする。


すると、君の作品は取引相手である出版社に損をさせないような売上を出す最低限の義務が発生する。プロとプロの商取引なのだから当然である。


お互いに利益が出ないままの場合、破産と相成るしかない。


自分が満足できさえすれば良い、なぞアマチュアの戯言である。そんなことを言って許されるのは売れている作家だけである。


そうしてどうにかこうにか、本がヒットし、見事アニメ化! もしくはドラマ化!


メディアミックス効果で原作も売れてお金もガッポリ!


ところが、ノータッチのアニメなりドラマなりの出来が悪くて、原作の評判まで悪くなるというまさに風評被害。


それにアニメなりドラマなりでもそれなりの売り上げが問われるのは著作権者としてはどうしても気になるところ。


当たれば嬉しいが原作が負けてる気がするし、売れなければ原作がつまらないせいのような気がする。


それにそのメディアミックス作品ばかり注目されて他の作品がないがしろにされている気がして、それはそれで複雑な気持ちに。


それで見事、出版社からもそれなりの大物作家として扱われるようになったあなたですが、当然次も同じように作品が売れる保証はないわけです。


固い固定ファンがついている作家でもないと、まず本当に大物作家になれないし、また次の作品もこれまでと同様に受け入れられる可能性があるとは限らない。


これでどんな大物作家であっても常に次の新作では不安定な立場にあるということは、アマチュア作家と同様ということが見て取れます。


それどころか大物として注目を集めているたけに、失敗作を発表した時のDisされっぷりはただのアマチュアの比ではないでしょう。


誰であろうと、新作を発表する時は怖いもんです。


それを乗り越えてもやってしまうのも創作の面白さですけれどね。

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