だいたいボーイズラブ

tazma

第1話 壁ドン

 壁ドンとか胸熱。最近CMでもやってるけど、キュンとくるよね。でも、黒板のチョークおいてあるあのでっぱり、あれはちょっと痛いかも。

 「壁ドンしよーぜ、壁ドン。」

 「はぁ?俺がする。」

 「いやいや、壁ドンって男同士でやってもキモイだけっしょ。」

 戯れに、壁ドンをしあう男ども。正直、うざい。

 不自然な萌え、人工的な萌え、確かに、あの三馬鹿には日々萌えを提供してもらっている。ツイッターのネタにも困らない。けど、そうじゃない、もっと自然にやれ。

 ほら、チョーク置き場の出っ張りに腰ぶつけて、しらけちゃってるし、いつもお前ら三馬鹿は詰めが甘いんだよ。

 [今日も三馬鹿は元気いっぱいに壁ドンしてキャッキャうふふしてます。私を禿させるのはいい加減昼休みだけにしてくれ/(^o^)\]

 私の心の叫びである。はぁ、こうしてツイッターに萌え騙りしても漫画か美麗なイラストがつかなければ、フォロワーさんは増えてくれない。

 「おまえら何してんの?」

 「んー、壁ドンしあってた。」

 クラスのサッカーイケメンである。

 もっぱらイケメンなのに、ちょっと天然で惜しいところが何とも萌えである。

 「ふーん、壁ドン?」

 「ちょ……っ!」

 おまっ!流石イケメンである。三馬鹿の一人にさりげなく壁ドンをかましつつ、キスでもするのかという勢いで顔が近い。

 三馬鹿の掌を黒板に平手打ちする壁ドンと違うところは前腕全体を使ってその高身長を相手にもたれるようにして、あぁ、もう言葉にならない。

 そして、お前らはなんでそんな頬を赤らめているんだよ!

 偶然にもモブが主人公にレイプされる様を見せつけられたような気持がして動悸がおさまらなかった。

 [萌えの神光臨]

 これは後で、私の糞みたいな画力でもアップしなければいけないだろう。

 「なーんて。じゃぁな!」

 さわやかに壁ドンしたことに満足したサッカーイケメンは自分のサッカークランへもどり、残された三馬鹿どもはそのさわやかさに圧倒され、再び自分たちのモブ感に歯を食いしばり……あれ?若干一名は恋に落ちちゃった?

 はぁ、萌え死ぬ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る