最後の週末

湖国人

第1話 月曜の朝は憂鬱

朝の目覚ましアラームはテレビのニュースから始まる

当然その音で目が覚めるような月曜日の朝ではない

時間差で携帯のアラーム、時計のアラームと続き、最後は家族に無理矢理起こされやっとベッドから体を動かした

眠気が取れないまま朝食を取り、煙草を吸いながら仕事の段取りを考える

会社は小さな工場を持っていて、自分はそこの一斑の責任者を任されている

責任者と肩書きが付くも、管理作業なんて何も無くてライン作業を他の社員と共にしているわけだが、作業場のミスが発生すると事務所の上司に呼び出されて叱責を受けるのが唯一自分の責任者としての役割

毎日、仕事半分説教半分の日々を20年勤めながら家族4人を養っている

さてと、コーヒーを飲み終え煙草も吸い終わった

いつものように、やれやれと溜息一つ

出かける前に玄関に飾ってある家族の写真を見て「今日も何とかなるさ」と思い

玄関を開けガレージの車へ向かった

何となく靴を見ると埃が付いていたので傍にあった雑巾で拭き取り

車のエンジンを掛けてギアをDに入れる

エンジンが掛かりアクセルを踏んだ時に憂鬱な月曜日が始まった

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