第4章 隠された湖9
ハワンドも納得したのか、本物と信じると言った。
「これ買います。」
そう言って店員にお金を渡す。
俺は買ったアクセサリーをバックに入れ、また来ますと言って装飾店を後にした。
ルーナとハワンドもいくつか買ったらしく、アクセサリーを身に着けている。
メリアもペンダントを買って早速つけていた。
高い買い物をしてしまったなと内心思った。
一通り街を見て歩いた俺たちは宿に行った。
明日はギルドで依頼を受けて、また出発することになる。
実家には俺の貯金もあるが、旅では自力で生活したいと思い持ってこなかった。
宿の部屋で買ったアクセサリーを取り出す。
「兄さん・・・。それって・・・。」
俺の手にある銀聖竜の鱗で出来たアクセサリーに気づいたメリアが呟いた。
「うん。銀聖竜の鱗。気になるから買ったんだよ。」
「なんでそんなものが出回っているのかな。銀聖竜は人前で竜の姿になることないのに。」
俺もそれは気になっていた。
父が言っていたことに何か関係しているのだろうか。
無理に調べなくていいとは言われた。
旅をする中で関わっていくことになるはずだからと。
身に着けることも出来ず、アクセサリーをバッグに戻す。
ペンダントになっているけれど、俺には必要のないものだ。
もしかするとこれには本来の持ち主がいるのではないかと思った。
父の言っていたことに関係するのなら、そのうちわかるだろうと思い、寝ることにした。
所持金をかなり使ってしまった。
明日からまた依頼を頑張らないといけないな・・・。
朝食を済ませ、4人でギルドに行き、依頼をいくつか受けて出発することにした。
ルーナも少しずつ弓も魔力制御も上手くなってきている。
いつものように森に入り、弓の練習と魔力制御の特訓をする。
ハワンドには俺がついて魔法を教えてはいるが、やはり出来るようになるとは思えなかった。
ルーナは弓の特訓もあって、最初に魔力制御、少し休んでお昼のために弓の練習をしている。
魔力制御の時間を終えて、休んで、次は弓の練習という時だった。
「ルーナがいない。メリア。ルーナは?」
「トイレって言って向こうにいったけど、どこまで行ったのかな。」
さすがにあまり遠くには行かないはずで、それほど長い時間はかからないだろう。
俺はルーナの気配を探った。
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