短編集

@nueeeeen

告白

 「次の方、どうぞ」

私が声をかけるとドアが開く、ドアの先にいるのは一人の男

顔はお世辞にも良いとは言えない顔立ちであるがそんなことは関係ない

 「今日はどんなご要件で?」

と私が尋ねると彼はこう言う

「懺悔をしに来ました」

 「ここは教会ではありませんよ」

と返すが彼は

「どうしてもここで話さないといけないんです」

の一点張りでここを離れる気もない

時間も時間なので次の人は生憎といない、ここまで聞いてくれと言われると

逆に気になるのが私の本心だ

 「次の人が来るまでのあいだなら聞いてもいいですよ」

私はこう答える

すると彼は懺悔の内容をしゃべりはじめた

「この前、人を殺したんです」

随分重い話だな・・・と真っ先に思ったが続きを聞く

 「はい、それで?」

「人を4人殺したんです、不良グループを、グループのうちの一人が持つナイフで

殺したんです、一人目の顔をめった刺しにしてやったんですよ・・・そしたら他の3人ビビっちゃって、逃げるんですよね・・・」

 「私も目の前で人が殺されたらびっくりして腰を抜かすか逃げるかのどっちかですけどね、それで?どうなったんですか?」

「その後もう一人が気を動転させて襲いかかって来たんですよ、僕それに驚いちゃって思い切りナイフを突き立てたんですよ、そしたら偶然相手の目に刺さっちゃってそのまま殺しちゃいました・・・二人も殺したらもうほかの目撃者も殺すしか無いでしょ?人って気が触れるとなんでも出来ちゃうんですね、次の男は心臓を一突きで殺しちゃったんですよ、運がいいですよね、生涯のうちこんな変な幸運引き当てたのはあの時が最初で最後なんじゃないんですか?」

 「分かります、たまに小さな幸運だけどいらないものってありますよね」

「ですよね、それで相手の男は一突きで動かなくなっちゃったんですよ、念には念を入れて喉笛にナイフを突き立てたりもしました、そうすると最後の一人の女が命乞いをするんですよ、自分の体を差し出して、私の体は気持ちいいから好評だって、あんたの女になるって、汚いですよねそういう女って、殺してやりましたよ

すぐ死なないように腹を刺して殺してやったんですよ、その後?犯してやりましたよ、犯されながら死ぬなんてアバズレには良い最後なんじゃないんですか?」

 「あまりそういう言い方は良くないと思いますがね」

「そうですか?それが僕の懺悔です」

彼の長い殺人の懺悔が終わりぽつぽつと人が来る予感がしてきたので

私も仕事に戻ることにした。

 「わかりました、では最後にお聞きしますが今回の死因についてはどのようなもので?」

「不良グループの最後の一人に殺されたんですよ、あいつ銃を持ってたんです、足を撃たれてその後顔の原型がなくなるまでボコボコにされちゃって最後は脳天を撃ちぬかれて死んだらしいですね」

 「なるほど罪状は殺人、死因は他殺・・・これは間違いなく地獄行きですね、後日郵送で書類を送りますんでそれまでお待ち下さい」

「わかりました、こんな原型の無いぐしゃぐしゃな顔の男の話を聞いてくれる奴なんてそんなにいないもんで今日は心がすっきりした感じです」

 「それでは、また御用が出来た時にお会いしましょう」

と私がいうと彼は席を立つ、彼の履いてるズボンの太ももの滲んだ血はそういう理由だったのかと考えたりしながら私は次の客を呼ぶ

 「次の方、どうぞ」









1回目あとがき

話の中で汲み取れるように(文章がそうできてるかはわからないが)

死人を取り扱ってる仕事をしている主人公の話

元ネタがあって死役所という漫画が大元の骨組みとかイメージ

あっちのほうが格段に面白いんだけど、このように元ネタがあったら

あとがきの方に載せる予定

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