普通

時折考える

普通とはなにか

よその人と

わたしは

違うように生きてきた

いつだって

わたしの「普通」は

よその人とは違ってた

わたしはそれが嫌だった

よその人を見るたびに

「普通」でありたいと

願い

恨み

憎んで

胸を焦がす

人は人

自分は自分

と割り切れれば

こうはならなかったのか

わたしはわたしでしかない

と開き直れば

そうはならなかったのか

わたしは「普通」を求めた

わたしが手を伸ばせば

誰かがわたしに問う

「君の”普通”とは何なんだい?」

わたしはしばし停止

自分の歩んできた道を見て

問いの答えを探す

だけど答えは出てきはしない

答えられない私に誰かは言った


人が変わるように

「普通」も時代や人によって変わるもの

変わらぬものなどこの世にはない


その言葉にわたしは悟った

嗚呼、わたしが求めていた「普通」は

もうなかったんだと


今もわたしは「普通」を探す

世の中が流れる水のように

移り変わる「普通」のなかで

わたしだけの「普通」を

彷徨うように探している

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