Oneと一番とたったひとりの私

ゆとりのわたしは

道徳の授業で

わたしは世界に一人しかいないことを

教わった


中学のわたしは

部活の顧問から

一番になるためには一人が皆のために

行動しなければならないことを

教わった

それと同時に

競争社会では

一番をとれなければ意味がないということを

教わった


高校のわたしは

彼氏から

優しければだれでもいいって

思う人間がいることを

教わった


大学のわたしは

学校から

認められることがすごく難しいことを

教わった


成長するにつれて

大人になるにつれて

社会に一歩出るにつれて

私はたった一人なのに

代わりのきく存在になっていく

私がいなくなった場所は

誰も埋められないのに

世間の私の席は誰でも座れるようになる


ねえ

世界にたった一人だけの私なのに

どうして私の代用品が

たくさんあるの


結局は1なんてどこでもあって

君じゃないとだめなんだ

って言葉はいつだって

オブラートより薄くて溶けやすい嘘で

はまればなんでもいい部品扱いは

きっとわたしだけじゃなくて


はまればだれもがわたしの代わりになれるんだ


それでも

わたしは世界でたったひとりの自我をもった

たった一人しかいない

わたしでしかないんだ

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