金は血液

 先日、レジで金額を告げられて財布を開いたら全然お金が入っていなかった。足りたので良かったが無かったら恥ずかしい目に会うところだった。

 いつの間にお金を使ったのだろう。帰り道お金についてぼんやり考えた。


 金とは何か。その時一番しっくりしたのが血液だった。

 無いと死ぬ。使って循環させないと死ぬ。死ぬとは当人にも、市場にも、国にも言える。

 不慮の事態で出血があるので、ある程度備えたほうがいい。

 かと言って貯めるばかりではなく、考えて使わないと脳梗塞になる。

 大富豪が突然死ぬと血族の中で大動脈解離の様に金が暴れ回って一族を死に至らしめる。


 首筋がむず痒くなったので考えるのをやめた。自分に子どもが生まれて、お金とは何かと聞かれた時、未来の私は何に例えてお金の重要性を説くのだろう。これから生きる為に税金を振り込みに行く。


 書いていて思い出したが、「国民の血税」と聞く事がある。税が血なのか、金が血なのか、合わさって初めて血になるのか。財布は輸血パックなのか。血とは何か。考えは尽きそうにない。

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