機械になれない。
とあるアプリゲームを始めた。とあると表記するのは私が真面目に取り組んでいないからだ。真面目に作った人、真面目にプレイしている人、全てを含めて真面目に関わっている人達に悪いと思うから「とある」という表記だ。
このゲームはクエストを指定すると勝手に戦闘を始めてくれる。行動ポイントが溜まったらクエストを指定して、バトルが終わったら次のクエストを指定して、行動ポイントが無くなったら集まった素材を使ってレベルを上げて、行動ポイントが無くなったら放置して貯める。とてもシステマチックに進めている。人力でなければ取得できないボーナスを網羅したのでこれで良い。
スマホアプリゲームは直ぐに作業となってしまう。タイミング良くタップ・フリック・ドラッグ・ピンチ・スワイプを行えば良い。容量や挙動に制限がかかるので人間に求められる事は三種類程に絞られる。自分をどれだけ機械に近づけられるかが、上達の肝になる。
と、ゲームを知っているような発言だが、そんな事は無い。そんな事は無い人間からはそう見えるという話である。ゲームを知った先にはどのような光景が見られるのか知りたい程だ。躍起になって「上・X・下・B・L・Y・R・A」を入力し「カカカカカロット」と誰が一番面白く出来るかという遊びをしていた自分には分からない光景だろう。私は速さを求めたが、友人の山田氏はリズム良く入力する事で「カカロッカカロッカカロット」としていた。私にあの入力センスは無い。
山田氏とは小学生の時は遊んだが、中学校からは疎遠になった。魔貫光殺砲を簡単に放つ事が出来た彼ならアプリゲームを楽しむ事が出来るだろうか。もう二度と会う事は無いだろう。もし出会って、小学生の時の様に話せるなら聞いてみたい。
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