愚者の幸福を感じる日

 8月8日中締め切りの仕事を抱えたまま寝て、「郵便が来て受け取ったので早速出勤する夢」を見て起きる。真面目……と言えるのか? まあ、どっちみち郵便来るまで出られないしなって思って二度寝しようとするが、どうにも気になって起きる。そんで郵便の再配達を待つが、普段なんか8時半とか、「本当にその時間に配達していいのか?」ってくらいの時間に来ることすらあるのに、今回11時半くらいまで来なかった。まあ午前中だからいいけどぉ〜。ただまあ、作業場でないとできない作業以外の細々とした作業が進んだのは良かったかもしれない。結局、今作業場行ってもしょうがないしなあと思って、そのまま2時まで周辺作業を続けて出勤する。


 ところで、今机の横にラックを置いてて、このラックに炊飯器と電気圧力鍋を置いてる。そんで、なんか今、炊飯器の時計がちょっと進んでて、電気圧力鍋の時計がちょっと遅れている。どっちも正しい時間を教えてくれない。そうするとどうなるかというと、混乱して遅刻する。いや言い訳ですね。PCとかにも時間書いてるしね。ただ、ちょっと何とかした方がいいかなあとは思った。


 で、2時過ぎから働いて、予定通り6時半から会議。いつもよりはマジ会議をやって、結局、保守的な結論に落ち着いたのであるが、その結論に納得がいかない人がその後の飲み会で管を巻く。まあ、それについてはしゃあないねって感じなのだが、どうもほかにもイヤなことがあったらしい。なんか、商品開発をしようと思って、開発部と話を進めてたんだが、特許とかの関係で色々とややこしいことになりそうで、それで開発部のほうは「諦めさせる」ように動いていると。そういうなんか、遠回しに諦めさせようとするくらいだったら全然「無理です」って言ってくれればそれで良くて、2週間も3週間も無駄に会議をする必要ないと思うんだよなあ、と言うので、まあそれは確かにそうすねえって話をする。「いやあ、いつかあいつらをぎゃふんと言わせたいよね」みたいなことを言う。いや~。気持ちは分からんでもないが、まあ、人事権を握ることがあって、クビにとかなったらそらあ「ぎゃふん」でしょうけど、仕事の性質上人事権にタッチすること絶対ないでしょうから、物理的に「ぎゃふん」と言わせる手段がないと思うんですが。。


 いや、同業他社に技術を売る手がある! 〇さん、どうですか、やりませんか、と同業他社に売り込みを始める。売り込まれた〇さんも、「いやあ……それ仮に成功しても、多分そっちの開発部がぎゃふんとは言わないと思いますねえ……」と冷静に返す。


 まあ、イヤな気持ちになったから復讐をしたいという気持ちは分からんでもない。分からんでもないが、復讐手段がないですよねえ。いやもちろんなんか、家に火を点けるとか、家族を攫ってデスゲームに巻き込みその様子を椅子に縛り付けて見させるとか、無理筋で裁判起こして疲弊させるとか、手はないではない。とは思うが、流石にそこまでやってらんないわけで。フツーに生活していて復讐するっていうのは難しいわけですよね。復讐の方に一定以上のエフォートを割かないと、成立しないわけですよ。そんな暇無いんだったら、「ぎゃふん」はまあ、奇跡的に言ってくれたらいいなって祈るしかないんじゃあないすかねえ。


 と、なんかこう、悟ったようなことを言ってたら、その人に、「雅島君はどうなんだよ、もし偉くなったら」みたいなことを言われるので、気持ちに寄り添おうと思って、「いやもちろんこれまで僕を見下してきた人に復讐の鉄槌を下しまくりますよ」と言う。「いるのか? そういう奴」って言われたので、「そりゃもちろん……」と言いかけて、ふと気づくが、いねえんだよね。別に。


 いやまあ確かに事務は嫌いですよ。事務に対しては常になんかこう、冷淡な気持ちで接しているし、揚げ足も常に取ってやろうと思っている。が、しかし、世話にもなっているので、たとえば仮になんかの間違いで超絶偉くなって人事権にもタッチャブルになったとして、今の事務はカスだから総とっかえじゃ、とは言わないと思うんだよな、別に。もう、「事務」という仕事をするタイプの人間は須らく「そう」なんだと思ってるから。つか、「そう」ではない人間が事務やってるとしたらそれはそれで怖いし。そして俺が仮に超絶偉くなったら、多分事務の人も勝手にある程度忖度してくれるようになって、今よりムカつくことは少なくなるだろうから、そしたら別にそれに加えてなんかいやがらせをしたいみたいな気持ちはない。


 で、それ以外の上司とか、同期とか、後輩とか、そういう人たちに関して言うと、まあ、先方がどう考えているのかは知らないが(絶対復讐してやろうと思われてる可能性は全然ある)、こっちは別に、無いんスよね。一つ二つ覚えてて、未だに「アレな無いな」と思う言動もあるが、まずそもそもそういう言動に対しては「それは無いですね」つって大体その場で喧嘩をしている。で、その他のお世話になり方が大きいので、特になんか、「ぜってえアイツらを見返してやるんだ……!!」みたいなのはない。


 別にそのー、怒りを抱かない人間ではないんですよ。むしろ怒りっぽい。不動産仲介業だと「ビッグ」。インターネットとか関係だと「U-SEN」。携帯電話会社だと「softbank」。一回無礼な対応をされているだけで、(一方的に)二度と関わりたくないと思っており、現にその後は全部避けて通っている。


 しかし人間に対して、そこまで持続した怒りを持ってる人っていないんですよ。これってなんというか、すげえ幸せなことなのかもしれないなあと思ったわけですね。


 「それはだね、雅島君」

 と、その会での長老が言う。

 「君はさあ、ちゃんと就職したことが無いわけだろ? やっぱり、一つの組織に所属して、そこで切磋琢磨するとね、どうしてもそこに軋轢が生まれて、なにくそ、アイツを見返してやろうって気持ちが出てくるわけだよ。でも、君は一つの組織に入ったことがないからさあ、そういう感覚を持たないって、そういうことなんじゃあないかな」


 こ……コイツ……。コイツを見返してやりたい気持ちはちょっとあるな。ただ、そのためには俺がちゃんとした組織に所属するまで生きていていただかないといけないわけだが、果たしてそれが可能かな? (ブラックジョーク)

 

 しかしまあ、確かに、言ってることはごもっともで、確かにそうなんでしょうね。だから、37歳にもなって非正規雇用で生活していることのメリットというのはそういうことで、他人に復讐心などを抱かず暮らしていけることです。愚者の幸福って感じがしますね。


 で、この会議室を出たときに傘を置きっぱなしにしたことに気づいて。あっ、傘忘れたって言ったら、隣にいた人が、「今日はもう降らないみたいですよ」という。ほー。じゃあまあいいか。って、作業所に移動して、1時半くらいまでかかったかなあ、なんとか「8日まで」の仕事は終わらせて。メール送って、外でたら、土砂降りも土砂降りですよ。It's raining cats and dogs.ってやつ。アイクぬわらが、「猫と犬の死体が流れていくほど大雨だ」と言ってたが、まあ、ホントそんくらいの雨なわけ。で、作業に使うからパソコン持ってきてんだよこっちは。てめえ~。絶対許さない。いつか復讐する。だからその~、つまり、「復讐」という言葉・行為を知らなかったからこそ、これまでは無垢に生きてこれたのかもしれないですね。言葉を知った途端、復讐の対象者がいきなり2名発生してしまった。


 皆さんは、どんな人に復讐したいですか? 応援メッセージで教えてくださいネ!


 2022年08月09日 11時22分の測定結果

 体重:103.90kg 体脂肪率:33.90% 筋肉量:65.20kg 体内年齢:50歳


 体重は増えました。復讐は無意味。有酸素運動をしよう。

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