ストレスの重さは2.5 kg(※ベースが100 kgの場合)

 思い返せばあれは1月5日のことだ。1月5日に、「2月18日までに作業Aをせよ」と言われて、「いや2月2日までの作業Bがあるんですけども~~~」って思いながら、やって、まあ一応作業Aは終わらせた。


 その過程で2月2日は間に合わね~ってなって、「間に合わねえスわ」って言ったところ、作業Bの〆切は4月4日まで延びて、2か月延びたぜヤッター思いつつ、結局2月18日から取り掛かって1か月半、それなりにちゃんとやっていたつもりだが、こっからあと1か月はかかるなって思い、取り下げることにしたのが土曜日。実に3か月間、ずーっと心のどこかでこれらの〆切のことを考えながら暮らしていた。


 それをやめよって思ったわけです。ただ、やりかけの作業自体はあるので、これをほっぽらかして腐らせるのも勿体ない。まあ、少しは寝かせると思うが、期限をはっきりとは決めずに完成させて、適当なところ――もし今の依頼元が受け付けてくれるって言うならもちろん優先的にはそこに出すが、今回の件で愛想尽かされてたら別のところ――に送ろうとは思っている。ってなわけで、日曜日には、少しその敗戦処理っていうか、整理整頓っていうか、とにかく、作業Bにまつわる仕事をしていた。22時までやってた。もっと言うと帰りにはたこ焼きと焼きそば食ってハイボールも3杯くらい飲んだ。


 何が言いたいのか? というと、活動の規模も、食行動も、これまでとは大して変わらないわけですよ。まあ、土曜日は確かにめっちゃ寝たけどね。日曜日には復帰して、そんで、「これまで」と変わらず、基本的にはPCに向かって作業をして、飲み物は無制限に飲んで、食事は外食する、みたいな形式で過ごしたわけ。その形式の中でも悪い方ですよね。22時にたこ焼きと焼きそばとハイボールだもん。ハイボールでちょっと糖質オフにしたところで、炭水化物炭水化物だから無駄じゃあないですか。


 2022年04月04日 10時16分の測定結果

 体重:100.50kg 体脂肪率:32.00% 筋肉量:64.85kg 体内年齢:48歳


 2.5 kg減るっていう。いやメガネ外して体重計載ってたので、ぼんやり、「5」って数字だけ見えたのよ。それで、「あー105 kgか~」って思ったの。105 kgになっても文句ないような前日の生活を送ったわけですよ。それが100.5 kgだもんな。笑っちゃったよ。


 つまりそのー、「ああ~無理な〆切がある~~~」分の気の重さが、物理的に反映されてて、それが2.5 kgだってことなんですよね。魂の重さは21 gだと言うが、それは痩せている人の場合で、デブの魂は多分25 kgくらいあるんですよ。で、気が重くなると、10 %くらい増えて、体重に反映すると。ストレスがかかると、魂が太りやすくなるってわけね。そんで軽快な気持ちになるとそれが落ちるというわけだ。


 または、魂は脂肪に宿るのかもしれないですな。いわゆる人魂というのは、人体に含まれる燐の成分が空気中で……発火? わかんないけど、なんかそういうことをして、人魂っぽく見えるという説があるが、燐の一部は脂肪と結合して、「リン脂質」ってのを作るらしい。人魂というのが魂が可視化されたものだという前提を置くと、その可視化作用には燐が関わっていて、で、燐は脂肪と結合する……なるほどな。


 何がだよ。分かりません。

 

 しかしとにかくこの、決められた仕事をやらないで諦めるというのは本当に気持ち良くて、一種の麻薬的快感がありますね。思い起こせば2015年に俺は大学を中退して、で定職にもついてなかったので、フリーター的人生を歩み始めたわけですけど、あの1年も本当に幸せだったもんな。小説もいっぱい書いたり読んだりしていたし。今もフリーター的人生はフリーター的人生ではあるんだが、まず定義上37歳なので「フリーター」に区分されない(フリーターは18歳から34歳まで)というのと、生活するためにそれなりに働いているので、幸せ度は大分目減りしている。


 ……一個仕事を諦めただけでこんなに気持ちがいいのなら……

 全部かなぐり捨てたら……どうなっちゃうの~~~!?


 って気持ちは正直あるよね。どうします? イチかバチか全部辞めてみます!? いやー、その翌日の朝日が何色に見えて、空気がどういう味するかだけ知りてえなあ。でも知ったが最後、その状態を味わうまで、ずっと飢え続けることになるわけだもんな……。こわ~。


 それこそ今新入社員へのアドバイス期じゃあないですか。で、良く言われるのが、「ブラックだったら辞めよう、逃げるのは恥じゃあない、全然再起可能」みたいな言説で、俺は幸いにもドブラックって環境にいたことはない……と思うけど人によっては土方仕事の請け負い方の一部をブラック認定することもあるかもな……まあいいや、ないけど、「合わない」職場にはいたことがあって、で、その経験から考えると、これは結構真理だと思うんですよ。

 つまり、厳然と自己の能力が発揮困難になる、つまり「合わない」職場というのはこの世にあって(俺が知ってるのは人間関係に依るものだが、職種とか社風とか色々な要素が関与するであろう)、その時、「合わなさ」を改善する努力をするより、「合う」場所を探した方が早いし健康的だよっていうことだと思うんです。で、やっぱ、就活とかって苦労するらしいので、2回やりたくね~~~ってので二の足を踏むというのも分かるから、アドバイスとしてそういうことを言うというのも良く分かる。だから基本的にはこれは愛のメッセージなんだと思うんです。相手を慮り、救済しよう、手を差し伸べようとする言葉なんだと思う。


 ただ、2%ね。ほんのひとかけら分だけ、「めちゃくちゃ気持ちいいんだよ」っていう、昏い誘惑があるような気がするんですよ。その翌日の、あの甘さ、一回味わってみ? っていう。


 気のせいですかね。そうですよね。そうだと思います。多分。

 

 今日からダイエットを再開します。ある程度の仕事は抱えながら。それではまた。

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