よく嚙んで食べましょう

 好き嫌いなく食べろと言われ育った

 大人の言うことを信じろと言われ育った

 「牛肉の薄切りを入れて作ったカレーを

 ハヤシライスと呼ぶんだ」と言われて育てられた


 と歌ったのは尾崎豊のCookieだったか(法務部の皆様へ;違いますので見逃してください)。とにかく牛肉に疎い人生を送ってきた。別に嫌いではないんだよ。ただ、鍋物の肉といえばラムだったし(非実在のテンプレ道民か?)、何せ鶏モモ・胸が安すぎて、しかも安いから不味いのかというと、普通にうめえんだよ。だもんで、家で食う肉と言えば鶏。本当にたまにラム。たまに豚モモ塊とかを煮豚にするなどして暮らしており、牛を家で食うということがめったにない。


 俺は美味しんぼ信者なので、たまーーにスジ肉は食いたくなる(スジ肉を落語家に食わせる話があり、このスジ肉牛丼がすごいうまそうに見える)ので、圧力鍋を持っていた時分はたまにスジ肉1 kg買ってきて醤油とショウガで煮込んでうまいうまいと食う日もあったが、今うちにある電気圧力鍋、掃除が結構めんどくさいのと、容量がやや小さいので、スジ肉調理するにしても少量になり、少量にするとスジ肉って別に爆裂に安くはないんだよな。あとは駅前のいきなりステーキが撤退してしまったので、赤身肉が食いたいよおってなったら食うくらいか。

 

 というわけで、別にほかのことを何か知っているわけではないが、特に牛肉については良く分っていない。さてそんな無知な人間が、スーパーマーケットでなんか知らんがグラム80円くらいで売られている牛すね肉に出会った。もうなんか、「帰ったらその足で焼いてください」みたいな感じの割引シールの貼られ方で。で、ポップまでついてて、シチューにお勧めと書いてある。あーなんかビーフシチューね。うんうん。イメージはすごいある。なるほど……。


 それで、芋とか玉ねぎとかはある。人参だけないけど、まあ人参にそこまで萌えはないし、ホワイトシチューなら必要な気がするが、ビーフシチューはまあ最悪なくても全体的に赤茶だし、いらんかなって思って、この牛すねとシチューのルーを買って帰ってきた。


 ほいで、野菜を炒めて、まあなんとなく火が通ったねってところで牛すね肉を入れる。なんか最初っからある程度カットされてたんで、そのままでいいかなーと思った。スジっぽい部分で接合されている肉もあるので、これくらいは切り離すかと思って切り離したが、あとはデフォのままぶち込んだ。


 で、表面に火が通ったかなくらいのところで、水を足して沸騰するまで待つ。沸騰したらおまじないで(意味は分かってない)灰汁? を? とって?(とっているものが灰汁であるという確信も実はない)、メール2~3通返すくらい弱火で煮て、ほんで火を止めてルーを入れた。


 うまい。うまいんだけど、すね肉かっっっっっっっっっってーのね。そういう性質の肉か……。35年生きてきてこれよ。すね肉は小さく切るか、それなりに煮込まないとかっっっっったくて嚙み切れないということすら知らぬのだ。

 ところで、今使った方の「嚙む」、印刷標準字体らしいですけど、これだけなんか象形文字脱してない感じがしてカワイイですね。


 ただもうルーを入れちまったからよ。こっから煮込むと焦げるんだうちの鍋は。液体の時点だとまだいいけど、少しでも粘性が発生するとすーぐ焦げる。だからまあいいやって思って、ちょっと冷めるまで待って、肉を頬張って、延々嚙み続けて飲み込むみたいな日曜を過ごしたとそういうわけ。


 2021年01月18日 07時59分の測定結果

体重:100.10kg 体脂肪率:33.30% 筋肉量:63.30kg 体内年齢:49歳


 ほぼ1 kg減るっていうね。よく嚙んで食べましょう。はーい。

 

 


 

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