ひよことパフェはなにが違うのか

 有名な思考実験にこんなんがあって、ぴよぴよひよこちゃんがいる。かーわいいねえ。ぴよ。ぴぃぴい。って幸せそうに餌をついばんでるのを捕まえて、ミキサーにかける。


 なんてことをするんだ。鬼。悪魔。


 そうするとその男が冷然と微笑んで言うわけ。「このミキサーの中には、寸分たがわずひよこの全てが揃っている。何が失われたというのかね?」


 「いや生命が失われてるだろ、バカにしてんのか?」って思われた皆さん正解で、なんもミキサーにかけることないでしょと思うが、でもまあそういう話で、生命というのは生命的組織であることがなんより重要で、どこまでも還元するってのは限界があるよネ、って話なんだと思う。まあ、たしかに脂肪細胞にVAAMぶっかけたらアミノ酸のなかでは一番分解したで!! とか言われても、直接細胞にかけるわけじゃあねえからなあって疑いの目はやっぱ出てくるじゃあないですか。in vivoでも効果でんのかと。たぶんそういう話。違ったらごめん。


 ただこの話ね、パフェにも適用可能ではないかと思うわけ。思うわけってか昨日ツイッタで、「パフェの最小構成要素は何か?」という問いを目にして思ったわけ。最小構成要素(還元主義)も大事だけど、パフェの組織的構造も大事じゃんか。それで、パフェをミキサーにかけた場合、それはパフェと呼べるのか? と問うたわけであるが、これがねえ、「数回転まではまだパフェでは」って結論になった。そうだね。たしかに(ただ、パフェの構成要素のひとつに、「長細い容器」があるような気がするので、それを含めると1回転目でダメではある)。

 それで思ったんだけど、我々はしばしば極端なケースを掲げて議論をする。ひよこを完全にすりつぶしたりもするが、実際問題ひよこはミキサー1回転目ですでに「失われて」おり、なんもそのあとのすりつぶしに大した意味はない。なので、話を分かりやすくするために、「完全にすりつぶした」ことにする。ところがパフェは違う!! グラデーションがある。何回転目かまではまだパフェで、どっかでシェーキとかに変性する。この中途についてもきちんと考えなければならない。結果だけ見ればパフェはあるいは生命であるという結論(構造を失うことによって「何か」を失った点がひよこと同じだから)が導き出されるかもしれないが、過程を見るとそうは言えなくなる。


 まあだから、極端な結論に飛びついてはいけませんよという教訓が得られるかもしれない。結論だけ見ると、「お前三年前となんも体重変わってないやんけ」ってなる。そうかもしれない。でも、その過程は違う。


2019年07月13日 03時29分の測定結果

体重:93.90kg

体脂肪率:29.40%

筋肉量:62.85kg

体内年齢:43歳


 つうか今タニタログみたら、2016年8月に一回85キロやってたわ。変わらないどころか。死。よく考えたら過程もダメだし。ミキサーですり潰されてきます。さようなら。

 

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