それでも僕はまだイケる
なんか湿気た話が二連したので、少し楽しい話を書いて寝ようと思う。
先日、どっかで「ちょっとトラブったんだけど今は書けない」というようなことを書いたが、これはなんなのかと言うと職場の鍵をぶち壊したんです。で、これは皆さんナイショにしといてくださいね。えーーっと、その、すでに一回失くしてたんスよ。その鍵。で、使ってたのがコピーの鍵でね。そら壊れますわなって話なんだけども、壊し方が問題で、鍵を鍵穴の中で折ってしまい申して。不幸中の幸いなのは、鍵開ける時ではなく、閉める時だったこと。だからまあ、入れはすんのね。不用心だけど。だもんで、万一アレしてアレしたら困るんで、今まで書けなかったわけ。先に結論を言うと、もう直ってるからな。やめろ、特定と侵入を試みるのは!!
ほいでよ。まあ、これはどうしようもないんで報告しますわな。そったらね、こう言われるわけ。「そこで使ってる鍵は良い鍵なので折れるとは思えないんだけど。まさか合鍵とか使ってねえよな? だとしたら請求そっちに回すぞ」。ギクギクギックーーンってなもんじゃあないですか。ヤバたんって思って。
ただね。ただよ。そんなしないでしょ成分分析とかさあ。うちの鍵は真鍮何パーの鉛何パーだけど、これは青銅で出来ている! とかさあ。鍵の成分知らんけど、そんな分かるわけねーだろって思って、そんなワケないでしょ、アハハハって言って、直後に本物の鍵を持ってるであろうユーザを探したんですな。お前の鍵になんか番号書いてるはずだから、それを今すぐ教えてくれって言うか、なんなら折ってくれ、いや折る、金ノコ持ってくから、ちーがうって、ホント、絶対大丈夫。倍にして返すから(鍵を)。
そしたらさあ。その他のユーザー、誰も知らなかったんだけど、全員偽物ってか、一回コピーした鍵使ってやんの。つまりこれはですよ、太古の昔にだ、既にだれか、しかもトップの方の人間が既に失くしてっかどうかしてんだよ。それをコピーで誤魔化してたんだよ。俺はコピーのコピーを使ってたわけで、そら折れるわ。でさあ、まあ、こうなってくるとね、コピーであること自体は問題だけど、こう言えるでしょう。「なんかあ、最初っからあ、コピーだったみたいでえ、みんなあ、おんなじやつを使っててえ」って。ヨシ! キタ! これで鍵をなくした件は完全に有耶無耶だ!!!
それで完全に安心してたところ、事務方から連絡が来て、「で、鍵番号分かりました?」
「あのねえ、分かんないんですよ。いやちょっと待ってください? あなたは俺が合鍵を勝手に作ってると今思ったかもしれませんけど」
「じゃあですね? 今、ちょうど全社的にセキュリティを向上させようってことで、鍵をカードキーで開けるやつに変えてるんですよ。これに変えるんだったら、まあ正規の申請を請けたことにして、予算はこっちで持てると思」「それにしましょう、問題ない、いやー気になってたんだよなーセキュリティ。ほんと。やっぱ? 今時? 物理鍵とか? ルイフー(古い)って言うんですかね。そんな気がずっとしてたんスよ。心配で心配で夜も寝られなくてね、そうだそうだ、申請しようと思ってたんですよ。ってかしてませんでした? いやしてたことにしましょう、そうだよそれですよ、それこそが事務の仕事っすよ。素晴らしい、ヨッアンタが大将! 実質的に世界を動かしてるのはアンタらだ!」
いやー。ホントね。たまに俺はめちゃめちゃツいてるなって時があるんだけど、ひさびさに来たね。鍵の取り付け、あとで請求書こっそり見たら10万くらいしたもんね。あっぶねーーーマジで、はーあ、助かった。
それで、これでやっと満を持して言えるんですけど、これ鍵を折ったときね。鍵を鍵穴に入れまして。もともと滑りの悪い鍵であったんですが、そんときはね、スーッと回って。おっ今日はなんかスムースだな、まるで空を回してるみたいって思ったら、まあ本当に鍵が折れてんで空を回してたわけだけども、ってことはね。ガチッとか、グニャッとか、そういう感覚無しで、スーッと折れたことになるでしょ。それで、そのことを認識した瞬間の話。俺は思った。
「もしかしてスーパーパワー目覚めた!?」
いや、一応言っとくけど、すぐ「ないない」って思ったよ。単にコピーが劣化してただけっしょって思い直したよ。だから試しに他の鍵をくにゃって曲げようとかやってみてないよ。ただ、最初の一瞬はマジでこう思った。「なんか蜘蛛とか噛まれたっけ?」みたいな。
まだまだ若い。まだイケんな。そう思いませんか。少年の心がある。大丈夫。
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