「交差点」

  本題に入る前にこれを見てほしい。


2019年01月13日

14時31分の測定結果

体重:91.95kg

体脂肪率:30.30%

筋肉量:60.80kg

体内年齢:44歳


 これが本題じゃあなかったら何が本題なのか? その謎の答えは空だけが知っているとして、いや除雪をしてだよ。しかも今日はポケモンGOのコミュニティデイで、なので起きて12時から14時半くらいまで歩き倒してワニノコを捕まえ倒して。食材買って帰ってきて、体重測ったらこれだよ。どういうことだよ。増えすぎ〜


 心当たりとしては、作業中の飲み物かなって感じだけど、でもなー。歩いたよ? 体重計がバグった?


 まあもうすこし様子を見るとして、本日は「交差点」作業についてご紹介しよう。これは何エッセイなのか。その答えは夢の中にある。


 「交差点」とは、道と道が交差した点のことである。実際には面であるが、多くの皆さんは見たことないと思うので想像しにくいだろう。ちょっと都会になるとこの交差点というものが沢山あり、言葉による説明には限界があるので、上京する機会などがあれば見てみてもらいたい。交差点にはときどき信号機という不思議な機械があって、赤や緑、黄色に輝いて街を彩っている。イルミネーションの一種と言えよう。ただ、これはオカルトなんじゃあないかと思うが、進行方向の信号機が赤ないし黄色の時は、足を止めないと死ぬみたいな伝承もある。死ぬの? そんなことで? 交差点、一筋縄では行かないなという感じもある。


 なお、我々の文化では信号の色、どうみても「緑」であるが、古代琉球では虹が赤と黒の二色であると言われていたように、色の認識というのは文化に依存するもので、「彼ら」の文化ではその緑を「青」と言う。せっかくなので郷に従ってみるのもまた一興だろう。


 百歩譲ってダイエット以外のことを書くのはいいとして、たわごとを述べ続けていると本当に全てを見失うのでこの辺にしておくとして、まあちょっと交差点に行ってみておくんなまし。そうすると、四つ角に雪の山がこんもりと積まれていること思……積まれてない!? うっそだあ。そんなまさか。こないだ初雪が降った? ハッハッハ、ご冗談を。


 進まねーな話。まるで交差点作業のようだ。奇跡的に話が戻ったので、交差点作業とは何か、なぜ「進まない」ことのたとえに交差点が使われるかを述べていこうと思う。


 まあとにかく四つ角には山ほど雪が積まれているものである。ここは納得してほしい。で、あまりに積みすぎると視界が悪くなるし、崩れようものなら危ないし、とにかくそんなわけで排雪をしていこうというのが「交差点」作業である。ほんで、基本的にはここ重機作業である。ユンボ(ショベルカー)で崩し、ドーザーで集めて、またユンボで掬ってダンプカーに積む。重機についてはものすごく感銘を受け、それはそれでまた別の機会に語りたいと思うが、とにかくそれが主作業である。


 えっじゃあ雅島さんは重機を運転できるんですか? と思うかもしれないができない。免許的にはマニュアルも運転できることになってるが、マニュアルの軽トラとかもあんま運転できないくらいなのでできるはずもない。除雪作業員というのは言わば重機の手元である。手元というのは手作業の下働きみたいな仕事の総称である。


 で、重機の手元で何をするかというと、これはマジで雪国以外の人はイメージわかないと思うし、雪国の人すらわかないと思うけど、雪から飛び出すように赤白の棒が突き立っているところがある。なんだその謎の風習は、と思うかもしれないが、これには理由がある。それはスノーポールと呼ばれているが、さてここで問題です。このスノーポールは何のために雪の中に刺さっているのでしょ〜か!


 答え。そのスノーポールの下に、ガードレールが埋もれている。


 これは本当に、完全に、全く知らなかった。意識したことないのでわかんないけど、たぶん夏はないと思うんだよなー。ってことは雪降る前に誰かが町中のガードレールにスノーポールつけて回ってるわけか。で春になったら外して回る。そういう仕事もあんのかー。へえー。


 でまあ、なので、例えばこのガードレールのところはユンボで削れないので(削るとガードレールごと行ってしまうので)、人間が手で掘らねばならないことになる。手というかまあ、スコップでね。言わずもがなだけど。


 あとは消火栓。消火栓の近傍には必ず「消火栓」という看板があるのだが(これも知らなかった)、逆に言うと「消火栓」という看板の側には必ず消火栓があることになる。そらそうだと思うかもしれないが、それは誤謬で、消火栓の近傍に必ず看板がある、が真でも、看板の側に必ず消火栓がある、は真ではない。最初のテーゼは、消火栓と書かれた看板の側に消火栓がないことを認めるからである。でもじゃあその看板はなんなんだよって現実世界ではなってしまうので、この場合逆も真で、消火栓という看板の側には必ず消火栓がある。そらそうだと……(以下省略)


 なので、消火栓という看板を見つけたら消火栓を掘り出さなきゃあいけない。ガードレールはまあ、埋もれてても別にそんなには機能的な問題がないので、場合によっては完全に掘り出す必要はないのだが、消火栓は埋もれてると使えないので完全に掘り出す必要がある上に、看板と消火栓の距離は不定である。これが困る。


 一応通常の場合、看板に消火栓までの距離が書かれていて、その距離が書いてあるのを読める向きがその方角となるらしいが、全然書いてないのとか普通にあるので、こうなるともう、視覚に障害を持つ人滅法にそこらを掘らなければならないので結構大変である。


 へー。それで進まないんだね、と思ったあなたは早合点というもので、そうではない。そんなもん、一つの交差点に1個あるかないかなので(ガードレールなんてない交差点の方が多い)、大変とは言ってもそうでもない。ま、30分もウワーってやればどうにでもなることである。問題はダンプカーが有限だということなのだ。


 一つの角にある雪は、平均するとたぶん3~4ダンプカーくらいに積み込まないと運びきれないが、交差点作業に今回配置されたダンプカーは7台。あらゆることを無視して最大効率で運送できれば途切れなくダンプカーが来ることもあるかもしれないが、そういうわけにもいかなく、結局ダンプカー待ちタイムが結構発生する。


 で、ただじゃあその間作業員はボーっと休んでていいよ、とはさすがにならず、っていうのはダンプがいつくるかわからず、ダンプが来たらまた作業再開なので、いちいち休んだり戻ったりも煩わしいのでしょうがないことだが、そしたら作業員はどうするか。突っ立って待ってるんですな。真冬の空の下。そうすると思うわけである。「進まねーな」って。まるで俺の話のようだ。


 で、8つの交差点を片づける予定だったが、5.25個の交差点処理で終わってしまい、初日から予定が破綻しているが大丈夫なのかしらと思っている次第である。でまあ、確かに大変突っ立ってたので、そら痩せないかって今頃気づく。でもワニノコ捕まえるためには結構歩いたんだけどなー。それもワニノコ見つけるたびに立ち止まってるからか。そうか。そう考えると納得だ。まだあきらめるの早い。がんばるぞ。


 明日は「運搬」の話をします。










 

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