60.商談 - フレーム選定

 池を回って駐車場に戻ろうか。

 だいぶ夜が更けてきたけれど、まだ話し足りないな。まだ時間大丈夫よね? じゃあ、次の行先を考えながら歩くね。


 アーレンレンズの話の続きもしようか。

 日本の眼鏡フレームは曲線が合わないから、海外産の、しかもある程度しっかりしたブランドもののフレームにしてくれって言われた。

 ちょっと動揺したわね。だって私、既に眼鏡をかけていたんだもの。

 眼鏡の上からクリップで留めるタイプのサングラスってあるじゃない? ああいうのも検討できるはずって、研究室では言われていたからね。コンタクトレンズ作らないで来ちゃったのよ。

 まぁ、彼らは症状の専門家であって眼鏡の専門家じゃないから、勘違いがあるのも仕方ない。

 眼鏡屋さんが出した候補の中から、眼鏡の上に重ねてかけられるくらい大振りのフレームを選んで、よしとしたわ。COACHのフレームよ。

 今日の私を見てお察しと思うけれど、ブランドものを着るタイプじゃないのよ。だからアーレンレンズだけブランド品になるのは、けっこう抵抗あったわね。ちぐはぐ。

 

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