共感覚エッセイノベル：エクストリーム極彩色

45.アウェイとホーム - 筑波大学 文京校舎

　ちなみに今は前ほど電車に酔わないわね。アーレンレンズがあるのもそうだけれど、何故か酔いにキレートレモンが効くと分かったのよ。きゅっと酸っぱいCCレモンも効くわね。理由は分からない。しかもたぶん共感覚関係ないから、乗り物酔いに困ってる人は飲んでみて。

　筑波大学・東京キャンパスはすごく分かりやすい場所にあったわ。駅から徒歩数分。高いビルに囲まれていたのが急に緑豊かになって、すごく安心した。噴水がせせらいでるし、彫刻もあるし、公園みたいで素敵なところだなって。

　まぁ間違って隣の公園歩いてたんだけど。

　入館のとき警備員さんに「入館証とかなくて大丈夫ですか？」とか聞いちゃった。でも私、筑波大の学生だったわ。関係者じゃん。この時点でかなりテンパってたよね。

　東京キャンパスはすごく近代的な建物だったわ。お洒落で、解放感があって、それでいて分かりやすくて。

　少し早く着きすぎちゃった上に緊張していたから、とりあえず図書室に行ってみたの。自分の学生証で入館できたのも安心したし、中にがまじゃんぱーが居たのも安心した。ここは筑波大学、私の学び舎なんだ、って。

　あ、がまじゃんぱーは筑波大学付属図書館のマスコットキャラね。

　ちなみに東京キャンパスは放送大学のキャンパスも兼ねているの。図書館でも社会人が沢山お勉強していたわ。ビジネスと心理学の書籍が充実してた。

　共感覚に困って診察に来ましたって話なのに、共感覚の話が出なかったわね。ふふ。なんか皮肉っぽいわ。

　共感覚の話ばっかりされて忘れてるかもしれないけれど、私ごく普通の女なんだよ。

　それで適当に時間を潰したあと、四階にのぼって指定された部屋に入ったのだけれど。