40.バリア - 普通ってなんだろう

 色のある世界、綺麗だけれど、どうしても普通に焦がれてしまうのよね。普通の視界と世界に。誰一人まったく同じ世界なんて見ていないはずなのに

 そもそも普通という言葉の解釈に問題があるのかしら。

 「普通」をググると「ごくありふれている」の他に「一定基準を満たしている」「問題が無い」「短所を持たない」なんて用法が出てきたりもするわ。私の中の普通って、こっちの意味に寄ってしまっている気がする。

 「普通じゃない」のは「一定基準を満たさず」「問題があり」「短所を持っている」みたいな。

 普通であるのが美徳みたいな空気があって、斜に構えた若者の例に漏れず私もその風潮が嫌いだけれど、そりゃあ「一定基準を満たしている」「問題が無い」「短所を持たない」人が良いのは当たり前よね。

 障害は個性って言いかたも、そんな普通に対抗するために生まれたのかしらね。私これ非常に違和感あるのだけれど。生活上困る個性が障害なんだからでかい分類に戻さないでいただきたいわ。


 一応、私も、障害者に分類されると思う。

 共感覚による識字障害と感覚障害ね。

 障害って言葉、助かるわ。自分の状況を一言で表現できる。困る個性を持っていて、あがいてどうこうなるもんじゃありません、っていうのを主張できる。

 「うるさいので音を小さくしてください」より「感覚障害があるので音を小さくしてください」の方が説得力ない? 説得しなくてもいいくらいスッと音を小さくしてくれれば助かるんだけど、なんだよこれくらいでってスルーする人もいるからね。私の家族みたいな。

 あ、うん、私の家族、共感覚もそれによる感覚過敏も信じてくれなかったのよ。私がアーレン症候群って病名を貰ってくるまで。

 そろそろアーレン症候群とアーレンレンズの話をしましょうか。

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