第3話 俺…なんかおかしいのかな?…
「それじゃ…改めて、いただきます…」
そして、再び妹の口が、兄の胸の飾りを覆う。
そして、先ほどよりも優しく吸い付いていく。
「!ん…あ…」
先ほどよりも弱い刺激だが、しかしそれでも体が激しく反応してしまう。
身を捩ろうにも羽月にしっかり覆いかぶさられ、さらには胸から来る甘い刺激に体が痺れ、身動きが取れなくなっている。
「あ…ん…ふあっ…あっ…」
「ん……(お兄ちゃんのおっぱい…おいしい…それに…おっぱい吸われてびくびくしてるお兄ちゃん…可愛い…)」
人よりも敏感なのか、妹の優しすぎる吸い付きにすら過敏に反応する涼羽の体。
羞恥に満ちた顔を羽月に見られたくない思いがそのまま顔を逸らすという行為に表れている。
その妹、羽月は兄の華奢な胸に抱きつきながらひたすら、しかし我が子を抱きしめるかのような愛おしさと優しさで吸い続ける。
「ん…あ…ひうっ…あ…ああっ…(な、なんだ?…この感じ…)」
性衝動が極めて希薄な涼羽の未成熟な体。
しかし、そんな涼羽の体に未知の感覚が芽生える。
まるで、愛おしさと優しさが体の奥からじんわりと滲み出してくるような…。
そんな奇妙な感覚がじれったい刺激と共にこみあげてくる。
「ん…ん…(お兄ちゃん…可愛い…それに…お兄ちゃんがすっごく綺麗に見える…お兄ちゃんのこと…どんどん好きになっちゃう…)」
妹、羽月は兄の乱れる姿から発する艶っぽさ、美しさに心奪われ、よりこの兄を求めたくなっている。
男である兄の胸の中…なのに、おぼろげに、しかし確実に存在する母性。
しかもそれがじわり、じわりと滲み出してくるような感覚。
外面でも、内面でも自分を惹きつけようとするものが滲み出してくる。
そんな兄がどんどん愛おしくなり、どんどん求めたくなる。
「あっ…ひゃうっ…は…ああっ…(な…なんで?羽月のことが…なんか今までより可愛く見えて…くる…)」
表面上は素っ気無くぶっきらぼうだが、なんやかんやで妹のことを大事にしてきた涼羽。
無論今までも羽月のことは可愛い妹として扱ってきた。
しかし、今じわりじわりとこみ上げてくるのはそれとはまた違う…
――――――――優しく包み込んで、甘えさせたくなる――――――――
まるで母親が娘を胸に抱くかのような…。
そんな情愛に満ち溢れてくる。
そして…
「ん…あ…んっ…(なんだろう…抱きしめて…なでなでしたくなる…)」
その両の腕が、妹の小柄な体をすっぽりと包み込み、その小さな頭を優しく撫で始める。
「ん…ふあっ…(お兄ちゃん…私のことぎゅってしてくれてる…それに…頭なでなでしてくれてる…嬉しい…)」
自分の体をすっぽりと包んでくれた兄の行為が嬉しくて…。
逆に兄をより求めてその華奢な体を自らの両腕でぎゅうっと音がするくらいに抱きしめる羽月。
そして、胸の突起に優しく味わうように吸い付いていた羽月の口が、求める想いを現すかのように激しさを増す。
「!ひあああっ!!」
「んんんっ…んんんっ…(お兄ちゃん…お兄ちゃん…もっと欲しいよお…)」
激しさを増した羽月の口の動きに、涼羽の体が激しく反応する。
艶に満ちた嬌声が部屋の中に木霊する。
そんな兄の反応と嬌声に、羽月の求める想いがさらに増す。
「んん…んっ…んんんんっ…」
まるで全てを吸い尽くさんがごとくに強く強く吸い付き、さらには舌で転がし、時には突っついてより味わうかのように求める。
「あああああっ!!!!」
妹、羽月の想いの強さを表すような激しい吸い付き。
そんな吸い付きに、涼羽の華奢な体が激しく反応する。
しかし、身を捩じらせてしまうほどの刺激をその身に受けているにも関わらず…
自身を求めてくる妹、羽月のことを離すことなどできず…
それどころか、より羽月を優しく包み込んで受け入れてしまう。
「(な、なんで?こんなことされてるのに…俺…)」
妹、羽月が自身の胸の中でひたすらに甘えてくるのが、嬉しくてたまらない。
ひたすらに甘えてくる羽月の姿が、可愛くてたまらない。
そんな想いが、涼羽の中をいっぱいにしていく。
「ん…お兄ちゃん…」
「あ…はづき?…」
そんな、自分でも分からない想いに心をかき乱されている兄の顔を覗き込むように…
妹、羽月が上目遣いで涼羽の胸の中から声をかける。
「お兄ちゃん…」
心底甘えた声で兄を呼ぶ羽月の顔は、まさに最愛の母の胸で甘える幼子のようだった。
それは、涼羽の体にぎゅうっと抱きついている様子からも現れている。
「お兄ちゃん…だあい好き…」
「は…羽月?…」
妹の純粋な想いが、言葉となって涼羽の耳に届く。
もう絶対に離したくない、と言わんばかりに涼羽の体に抱きつく力も強くなる。
そんな妹の様子に、戸惑いを隠せない涼羽。
「お兄ちゃん…あったかい…それに…すっごく優しくて…ふわふわしてる…」
「え?…」
「お兄ちゃんのおっぱい吸うのも、お兄ちゃんとこうしてるのも…すっごく幸せ…」
「え?え?…」
「お兄ちゃん…本当にお母さんみたい…」
その羽月の一言が、すでに動揺し続けている涼羽をさらに動揺させることになる。
動揺が止まらない涼羽の胸にべったりと抱きついたまま、その華奢ですべすべな胸に顔を埋める羽月。
動揺しながらも、そんな羽月が可愛くて、いとおしくてたまらなくなる涼羽。
自分でも分からない、その感情。
その感情が、『母性』と呼ばれるものだということを、この時の涼羽はまだ知る由もなかった。
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