第3話アネモネの日々 三話【お着替えと初任務】
私がムーンと戯れていると、ご主人様が話しかけてきた。
「アネモネ、そろそろそんなデブ猫と戯れるのは止めてお着替えしましょ?そのままじゃ寒いでしょ?」と言われたて、改めて自分が全裸である事に気づいた。
「はい、ご主人様、着替えを用意して下さっているなんて光栄です。」
「あーいいの、そんな堅苦し感じわっ!私とムーンとあなたしかこの屋敷に住んでいないんだからさ、もっと肩の力を抜いてねって言ってもまだ難しいか、まあおいいおいとして、こっち来て」
手招きされるがままに向かうと、そこには白と黒がまざった服が準備してあった。
「これはメイド服と言ってね、アネモネが着るのは奮発して、国で一番のデザイナーさんに作ってもらったんだから。」
「光栄です。ご主人様」
「可愛いでしょ~?早速着替えてみて?」
私は促されまま着替えてみた。
「・・・どうでしょうか?」ご主人様の前でくるんと回ってみる。
「・・・かっ!可愛い!可愛いわ!アネモネ!やはり私の目に狂いはなかった!わざわざ特注した甲斐があったわ!」
ご主人様はとても嬉しかった様で、眼鏡を揺らしながら小さい体で飛び跳ねていた。
いつの間にかムーンが足元まで来ており、遠目からそんなご主人様を見ていたが、感情が読み取れない。
しばらくするとご主人様は落ち着いた様で、「ハァハァハァ、、、ちょっと興奮しすぎたわっ。ごめんなさい。アネモネ」
「いいえ、気にしないで下さい。ところでご主人様、私は登録通り屋敷の清掃に移ろうかと思うのですが。」
「そうねっ!早速お願いしたいわっ!清掃用具はこの実験室の階段を上がったすぐ近くに用意してあるから。あっ!あとゴミ捨て場は屋敷を出てちょっと歩いた場所にあるからとりあえず一通り清掃が終わったら、案内するわねっ!」
「かしこまりました。では任務を遂行します。」
「よろしく頼むわっ!アネモネ。」
これが私の初めての任務。だがそれは想像を絶する惨状との出会いだった。
そんな私を憐れむかの様に、ムーンがつぶらな瞳で見つめていた、様な気がした。
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