第45話 雪を待てるか。

雪が楽しみ。


秋田に来て間もない、雪なし圏の人たちはやはり、こう言います。確かに、雪が積もった砂糖菓子のような木々や家々は、いつ見ても面白い。


夜、そこらにできた雪山に足跡をつけ回って遊ぶ人もいて……それが大人だから、にやりと笑ってしまいました。


でも自分は、「雪が楽しみ」という気持ちはとうになくしてしまいました。

ちょっと出かけるだけでも、雪の壁が道を阻み、億劫にさせるからです。


雪の情景を描けるのは嬉しいことですが、それなら青く輝く海を描ける土地もいいものだ、とついつい浮気心が芽生えます。ごめんね、秋田。


まだ積もっては溶け、という時期ですが、すでに「春恋し」です。

やっぱり雪を待つより、春を待つ。


雪を愛せたらいいのになあ。


いやいや、出かけられない分、たくさん書きましょう。

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