第7話
すでに時期はずれかもしれませんが、舛添東京都知事がえらいことになってますねえ。
政治経済・社会情勢には疎いこの私だが、これだけ報道されるとつい気になって……いや、やっぱ気にならない。東京の話だしなー。都民の方々はさぞ憤慨だろうなあ、などとぼんやり思うだけである。これぞ意識低い系。
しかし最初にあのダラダラ結論を引き延ばした会見をしたのはいかがなもんじゃろか。おかげで後からガンガン突っ込まれ、さらなる経費問題を調べられ、辞職しろと迫られる。そして不信任案(コレはヤバいのよね?)を出されそうになり、そして結局彼は辞職した。
どうせ本人はわかってたんだから、最初から素直に「その通りです! すんません!」と認めてた方が皆の心証もよかったと思うんだけどなあ。
たとえ余計に反感を買ってでも非を認めない、というのが政治家に必要な能力なのかしら。
もし私が知事になったとしたら、
「知事! 県庁にマンガ七千冊が納入されています! 何なんですかこれは!」
「すんません読みたかったんです!」
「自分で買えばいいじゃないですか!」
「いやー絶版本を持っているジイさんが頑固で、個人相手には売らないって言うもんだから」
「完全に職権乱用だ!」
「その通りです! すんません!」
と綺麗な謝罪をすることだろう(結局汚職はするのかよ)。
それにしても、これが企業の社長とかだったらファーストクラスで慰安旅行に行こうがそこに家族を連れて行こうが取引先から賄賂を貰おうが別に逮捕されないわけで、もし「うわー俺ぜってー税金使い込んじまうよぉ」と自制心に不安のある方は公務員ではなくベンチャー立ち上げを目指すべし。いやまあ、会社のお金だって使い込んだら経営に支障をきたす可能性があるわけだけど。あとお金そのものをゲットしようとすると横領の可能性があるんだけど。
ところで政治繋がりでいくと、G7伊勢志摩サミットが開催され無事に終わりましたようで。
興味も知識もないダメ人間の私なので、各国首脳が何やら話し合ったのね、ぐらいの感想しかないうえに、「伊勢ってことは伊勢エビが獲れるところか! ……あれ? 何県?」といった体たらく。日本の将来に貢献できそうにないわね、私って。
だがそんな私も今回のサミットで一点だけ大いに興味をそそられてしまった。皆様、もうおわかりですね。はいその通り、カナダのトルドー首相です。
首脳陣の中で日本に一番乗りしてきた彼。その映像を見た途端、「ついに首相もここまで来たか」と嘆息せざるを得なかった。
今までの首相像を打ち砕くイケメンぶり。そしてスラッとしたフォルム。
なんて素敵な笑顔かしら! 心が持って行かれる! 助けてカンバーバッチ様!
しかしテレビをご覧になった方は知っての通りトルドー首相は既婚者であり奥様は元モデルの美人。
はーあ、美男美女のご夫婦なのね羨ましい、などと思うことにより心を落ち着かせることができた。やれやれ危ないところだった。
まあカンバーバッチ様だって婚約してるんだけどね。この世には神も仏もありゃしない。
そういえばさっきの話、伊勢志摩っていうのは三重県ですってよ。
三重ねえ、三重。えーっと。あの。ほら。三重。うんそう、三重県。……あっ、伊勢! あれだ、伊勢神宮があるよね! 参拝の経験はまだないけど! そうだ、あと松阪牛があるじゃないか! すごいぜわっふー!
あとは……まああの、色々あるよね(三重県の方お許しを)。
ええい、わからんものはわからんのだ! しかし三重に限った話ではなく、政治経済はおろか地理歴史も壊滅的なこの私なので、正直アホかと思われるぐらい都道府県の特徴がわからないのである。
そもそも日本地図を見てどこが何県かを当てようとしても、100%の自信があるのは自分の県と大阪、北海道と沖縄、青森。以上である。以 上 で あ る 。
アホかと思われるどころか完全にアホとしか言い様がない。あとは80%ぐらいで京都と長崎と愛知がわかりそうな気がするが、焼け石に水。書いてて情けなくなってきた。
果たして平均的日本人は産まれてから何歳までにどこが何県なのかというのを記憶するのだろうか。純然たるジャパニーズのはずなのにそこらの小学生にも劣るであろう自分はいったい……。
「オー、ミヤビ。キニヤムコトハ、アリマセン」
「えっ? あ、あなたはトルドー首相!」
「アナタニハ、カナダノブラッドガ、ナガレテイマース」
「私はカナディアンだったのね! どうりでメイプルシロップが好きだと思ったわ!」
「サアイキマショウ、カナダヘ。トコロデミヤビ、カナダノシュトハ?」
「えっ、首都? ……………………………………あっ、バンクーバーだ!」
「オタワ、デース。フセイカイ。サヨナラ」
「なんでよ! オリンピックやったじゃないのよぉぉぉ……」
ああ無情。こうしてカナダ移住作戦は泡と消えた。
だいたい日本ですらこんな有様の私が、海外の地理などわかるわけないでしょうが。んもう、首相のイジワル。でも許しちゃう。素敵。
まあともかく、これからのグローバル時代、我ながら東京の位置ぐらいは断言できないと情けないのでもう少しお勉強した方が良いというお話。
ところで私が今回カナダにちょっぴり関心を覚えたように、「とりあえず美男美女から興味を持たせる」という方式は各種お勉強に有効かもしれない。
それを考えると戦国武将の追っかけみたいな歴女という存在もわからなくはないのだが、いかんせん私はどうせなら生きている人の方がいいなあ、と思ってしまう。
かと言って芸能人やバンドの追っかけするようなお金も気力も体力もないし、ていうかまず熱意がないし。
やっぱりテレビでぼんやりイケメンを見ているのが一番であろう。各局はまだ見ぬ世界の美男美女を求めて奔走していただきたい。
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