復讐のランサー
ぼっち
第1話 初陣
戦場に居た。
故郷を奪った虫ケラを殺すために、僕は槍を握っていた。
人型機動兵器。SWに乗り、地球人の一兵として戦場に立っている。
敵は地球に巣食うライフイーター。LE、の軍勢。数は未知数。地平線まで埋め尽くす数だ。
対する僕らは人類の総力戦である機兵隊五万人の部隊だ。
「時は来た! 我々はアメリカ合衆国奪還作戦をこれより開始する!! 地球に生きる全ての兵士たちよ!! 命を捧げよ!!! 虫ケラに喰われた同胞を駆逐するのだ!! 復讐を誓え!! 今が人類の反旗の時だ!!! 駆けろーーー!!!!!!」
最高司令官、ギニアス・クラインの叫びと共に僕は駆けた。
機体のグリップを強く握り締め、荒れ果てた農作地帯を走る。
部隊名。第57隊ランサーズ。
一隊100名からなる、人型機動兵器を操る機兵隊の槍だ。
「走れーーー!!!!!」
僕は第57隊の新兵ランサーズだ。
全長20メートルからなる機械の機体を操り、機槍グングニルを握り無人のアメリカ合衆国を駆けた。
全身が金色のライフイーターの集団が見えた。
数は約20。虫の形をしたインセクト型だ。
目の前のLEを構わず機槍グングニルで突き刺した。
「死ねよ!!! 虫ケラが!!!!」
感情をぶちまけた。
機体と同調して、槍を虫ケラに突き刺す感覚が伝わって、僕は一匹の虫ケラを殺した。
「雨宮 一心! 一匹駆逐!!」
人類が駆ける。
五万の機兵が進撃する。
雪崩のような進撃で、僕は人類の一部になり、駆けた。
「殺せーーー!!!! 殺せーーー!!!! 殺せーーーー!!!!!!」
僕らの命を喰うLEが各部隊のランサーズに突き刺された。
「第37隊ランサーズ!! 虫ケラを駆逐!!! 駆けろーーー!!!!」
「第23隊ランサーズ!! 虫ケラを駆逐!!! 駆けろーーー!!!!」
コクピットに通信が入り込む。
各部隊の撃破を檄として、僕は目の前の虫型のLEに槍を突き刺した。
ついで、同じ部隊員が追撃の槍を突き刺す。
虫ケラが悲鳴を挙げるが、僕は槍に力を加え、虫ケラの命を断った。
「第57隊ランサーズ!! 虫ケラを駆逐!!! 駆けろーーー!!!!」
虫ケラを殺し、僕は戦場の最前線で槍を握り駆けた。
復讐だ。
これは、復讐だ。
人類が地球を占領された復讐だ。
「殺せーーー!!! 殺せーーー!!! 殺せーーー!!!」
「駆逐しろーーー!!! 一匹も残すなーーー!!! 殺せーーー!!!」
人の恨みがコクピットに流れ込んだ。
オープンチャンネルだから、五万の機兵隊が聞いている。
「殲滅だーーー!!! 全て殺せーーー!!! 人類の仇を討てーーー!!!」
叫んだ。
17年間の復讐を僕は今果たしている。
家族も友達も世界も喰われた、僕の復讐だ。
「第33隊!!! 一機撃墜!!! 構うな!! 進めーー!!!」
味方が落ちた。だが、僕は駆ける。
「駆けろーーー!!! 駆けろーーー!!! 駆けろーーー!!!」
コクピットから見えるLEは8匹。
「死ねーーーーーーー!!!!!!!!」
雄叫びを挙げ、槍を突き刺した。
虫ケラの返り血を浴びて、僕は次の虫ケラに狙いを定める。
「駆逐してやる!! 一匹も逃さない!!!! 全て殺してやる!!!!!!」
援護に入った隊員が七匹に槍を突き刺した。
「新兵!! 駆けろーー!!! 駆けろーーーー!!!!!!」
僕の目の前を先輩隊員達が走る。
絶命した虫ケラから槍を引き抜き、僕は駆けた。
いつ終わるのか解らない戦いを僕は駆け抜けた。
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