夏休み

 子供の頃見てた夏の空はただひたすら大きくて

 ちっぽけな僕は飲み込まれるしかなかった


 朝の風に誘われて

 太陽浴びる布団に見送られて

 犬はただ舌を出して笑っていて


 さあ今日はどこまで冒険しよう?


 知らない道を見つけるたびにワクワクしたよ

 頭の地図にまた新しいシルシが書き込まれていく

 迷って迷って堂々巡りの暑い日々


 どこまで行っても青い空に白い雲

 蝉の声が耳に焼き付いて離れない

 峠から見下ろした海の大きさは忘れない


 冷やしたスイカを食べながら心の中に浮かぶのは

 そんな記憶の奥の懐かしい景色たち


 カルピスのグラスが今カランと鳴った

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