梅雨の前日

 今日も一日が閉じていく

 お日様が残した輝きで

 空は紅く紅く滲んでいく


 それは影ばかりになったこの世界を

 美しく飾っているよ


 黒い影が一つ二つ

 家路を急いで消えていく

 ここから先は夜の生き物の領分だ

 ほら、何時の間にか星がいる


 風も一層冷たくなって街は灯りに包まれて

 闇の隙間を蛙の声が埋めていく

 雨を求めて歌ってる


 夜空を光が泳いでいるよ

 峠で光が流れていくよ

 街は賑やかに点滅してる


 ああ、人は昼も夜もなく忙しなく生きている

 生命を削って行きつく先にどんな未来が待ってるの?


 月明かりに犬達が吼えている

 何だか哲学者のように木霊する


 そして、蛙の祈りは一番中続いていく

 天はその願いを聞き入れて雨を降らすのだろうか

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