待ち合わせ

 僕が恋を忘れてから

 もうどれだけたっただろ


 倉庫の部屋を抜け出して

 風に飛ばされ西東


 町の外れの無人駅で

 いつまでも来ない電車を待とう

 何も起こらないから

 安心してぼーっと出来るよ


 動かない景色の中で

 ちょうちょが刻を泳いでる

 お日様も首を傾げてる

 そんな不思議な昼下がり


 空を飛ぶ胞子のように

 無数に散って飛んで行きたい


 自分の体なんてほっといて

 幽霊になって

 見えない旅をしてみよう


 みんなの笑い声が聞こえるね

 みんなの泣いた顔が淋しいね

 あらあらどしたの、怒ってる?

 あらまぁ何だか苦しそう


 空気に溶けて水に流れて

 風に舞って焼けて消え行く…


 いつかまた会えるかな?

 大切な事を思い出せたなら

 きっと巡り合えると信じてる

 何処か宇宙の片隅で

 じっと待っているからね

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