春にとけて

 冬の服装がうっとおしくなって

 桜の舞う道を風になって通り過ぎて行く


 いちご大福を頬張ると

 体中に春が染み込んでいく


 鈴やかな風はあの坂を越えてやってくる

 猫も気持ちよさそうに眠ってる


 のどかに光る海に気を取られていると

 いつの間にか猫達の恋の争奪戦

 邪魔しちゃ悪いから僕はその場を後にする


 田圃では蓮華が出迎えてくれていた

 この花を見るだけで少年時代に戻れるのさ


 あの無邪気だった頃から景色は随分変わったけれど

 この春の催しはいつまでも続いていて欲しい


 山では竹の子がにょっきり顔を出す

 動き始めた生命の中でその力を分けてもらおう


 さて、夕焼けカラスを見送るか

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