おほきなめ

冬の満月の暗闇に

おほきな目が うつるの うつるの が

いともやさしく あらわれて

いともやさしく たちきえて きえて

つぎにつぎにと あらわれて

じいつとみつめる る

何も物言はず


冬の満月の暗闇に

かつとみ開いた おほきな目が

じいつとみつめて みつめ て

じいつとみつめて たちきえる

あはれかな


じいつとみつめる おほきな目 目 目 たち

かれやかのじょのひとみたち

おほきなひとみ あはれなひとみ

我れを責める 訴う ひとみが

いともたやすく あらわれ

いともたやすく たちきえ て


またくるよう と いふのです

じいつとみつめる 目 目のひとつひとつ

こわい目 目 たち です

冬の満月の暗闇に

あまた出てくる 目たち 目たち たち

いとも やさしく たやすく あらはれ たちきえ

て て てて て


何も物言はず

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