心配し“過ぎる”人
僕は心配し過ぎる。
今日だってそうだ。
家を出るときには、
忘れ物がないか何度も確認。
何も忘れてない。安心して家を出られる。
50mほど進んだ。
「玄関の鍵、閉めたかな。」
来た道を戻る。
ちゃんと閉めてあった。
鍵をかけたか何度も確認。
これで安心して出発できる。
150mほど進む。
「元栓閉めたかな。」
来た道を戻る。
ちゃんと閉めてあった。
今度こそ大丈夫だ。 出発、出発。
300mほど進む。
「さっき窓確認してないな。」
来た道を戻る。
窓を閉めたか、またまた確認。
確認、確認、確認。
なかなか家から離れられない。
いつも通りとは言っても大変だ。
早く出発しないと予定に遅れてしまう。
「あれ、予定のことは
なんで心配にならないんだ。」
「あれ、予定のことは
なんで心配にならないんだ。」
「あれ、予定のことは
なんで心配にならないんだ。」
「あれ、予定のことは
なんで心配にならないんだ。」
繰り返す自問自答。
僕は “自分” を心配し始める。
「あれ、僕はおかしいのかな。」
「あれ、僕は間違っているのかな。」
「あれ、僕は変なのかな。」
「あれ、あれ、あれ」
心配し過ぎる僕は、
僕自身を心配し過ぎて、
心配していた予定をすっぽかした。
過ぎる人々 佐倉七花 @Sakura-Nanaka
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