ミクトラン
諏戸名 友人
第1章
『プロローグ01』
戦場で死した者と儀式の
東の天国へと召され、東から昇る太陽と共になる。
子を産み、世継ぎを残して死した女は、
西の天国へと召され、西に落ちる太陽と共になる。
水災と落雷で死した者は、
雨の神が治める楽園へと召される。
だが、それ以外の理由で死した者達は皆、
死の神が統べる地獄に落ちる。
其の地獄を、
彼の地にて『ミクトラン』と呼び伝える。
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その日は演習の授業があった。
操作と一緒に〝戦争〟の訓練をする授業だ。
戦争って言っても、別に本当の戦時下だったワケじゃない。
工業高校に通う奴等は皆テストパイロットの資格を取らなきゃならないから、
いずれ通る道だった。あくまで授業の一環だったんだ。
結局、あの時もヒデトの奴には勝てなかった。悔しかったよ。
演習の後、夕方くらいかな。学校に新型のLWが運び込まれてきた。
シートが被せられて機体は見えなかったけど、
なんでも、火志摩重工の新型だって聞いた。
新型機って言葉は好きだった。
早くどんな機体か見てみたいって騒いだのを覚えてる。
その夜、俺はその新型機に乗ることになった。
そして、永い旅と戦争が始まった。
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