犬猫物語

@kimgyo

第1話 そんな・・犬にゃ

 どこにでもいる『猫』の身に起こったファンタジーである。


 人類が生物のヒエラルキーの頂点に立っている、この世の中。街にはビルが立ち並び、道には車が行き交う。そんな街のある一角、薄暗い路地に三匹の集団がいた。

 「えさをもらうのもひとくろうにゃ~」

一匹の猫がゴミ箱の上から今日の愚痴を喋り出した。そう、これは猫の集会だ。

今、喋りだしたのは、ここら一体のボスだ。

 「そんなのねどこにかえったらおいてあるにゃ~」

体の大きい猫が車道の方からテクテクと歩きながら応える。こいつは家の中で運動もろくにせず「人間」に飼われている、いわゆる『ゆとり猫』だ。

 「いいよにゃ~おまえはらくしてえさもらえるとかうらやましいにゃ~」

と、僕が路地裏に飛んできた、新聞紙の上に寝転びながら応える。

人間は気づいてないだろうが動物は動物で色々かんがえているのだ。

例えば、こんな餌の話もあれば人間の政治や暮らしの話、縄張りに入ってくる敵など色々話し合っているのだ。

そんな、たわいも無い話を日が落ちるまでして、今日の集会はお開きとなった。

そして、いつものように寝床に帰って、寝て、食べて、集会に出るが続くと思っていた。 

―――――あんなことが起こるまでは・・・


###


 僕は、今日話していたゆとり猫の飼い主である『人間』に興味を持っている。

なぜなら、『人間』はあの忌々しい『犬』をなにか紐みたいなやつで操れるからだ。

 「いぬさえいなければまわりみちしなくてすむにゃ!!」

べっべつに、怖いわけじゃないから、無駄な争いが嫌いなだけだから。

誰にいているんだか。そんなことを、色々考えながら帰り道の塀の上を進んでいると、遠くから大きな音が迫ってきているのに気づけなかった。

気づいた時には、目の前に大きな物体が迫っていた。そう、車だ。

体から、熱いものがすぅーと抜けていく感覚がある。

あ、死ぬんだ。 動物的直感でわかる。

 「つぎがあるにゃらにんげんになってみたいにゃ!」

誰にも聞こえ無い、最後の鳴き声をさけんだ。

―――瞬間、目の前が真っ暗になった。

   「その願・・・き届・てやろ・」

霞みゆく意識の中、そんな声が頭の中に響いた。


###


 「おい、起きなさい!私が話しかけているのにいつまで寝ているの!」

と、頭の中に声が響く。

 「うるさいにゃ、体中痛くてそんな所じゃないにゃ」

 「そんなこと無いでしょ、あなたに今、体なんて無いのだから」

 「嘘にゃそんなこと!」

と、言われてから手足を動かそうと思ったらそんなものは無く、さっきまで感じていた、痛みも全く無くなっていた。

 「本当にゃ、全く痛くにゃいにゃ」

 「言ったでしょ、今のあなたに体は無いって」

と、また頭の中に声が響く、どうやらここは肉体という概念がないらしい。

そうすると、いくつかの疑問が浮かび上がってくる。

 「どっどうしてにゃ?僕は車にはねられて死んだはずにゃ?」

 「あんたが、死ぬときに叫んだ願いがたまたま私の上司の耳に入ってこうやって  出向いてあげたのよ、感謝してよね!」

 「何でそんなことしてくれるんですにゃ?」

 「今、理不尽で死んだ小動物の願いをひとつだけ叶えてあげるっていう公約を元  に私らの上司が神様選挙に出馬してるから私ら公務員は薄給の中、あんたみた  いな奴の救済しないといけないのよ」

どこの世界も、公務員とは可哀想な人?が多いいな、と思わずにはいられない。

けど、それなら僕は人間に生まれ変われるってことかな?、それなら色々やりたい事もあるし、夢が広がるな。

 「僕は人間に生まれ変われるにゃ?それなら早くして欲しいにゃ!」

手や口、足はないけど息を荒げながら思うと、

 「あぁ、それなんだけど元いた世界は成約とか色々あって無理だけど、異世界で  いい? その確認のためこの空間に呼んだんだけど」

 「異世界にゃ!?」

不安そうに思っていると、自信満々な声が響く。

 「そう異世界よ!遠いようで近くにあり似てるようで似ていないそんな世界よ

  まぁー、気にしたら負けよ!第二の猫生なんだから楽しんできなよ!」

さっきと、態度がガラリと変わっているのは気になるが気おってもなんの解決にもならないし――――腹をくくるか。

 「わかったにゃ!よろしくお願いしますにゃ」

 「分かりました!楽しんできてくだいね!(さすが元猫、頭がちょっと良くなっ  てもちょろいわね)」

なんか、すごく失礼な事を思われた気がする。が、新しい猫生の始まりだ不安もあるが楽しみで仕方ない。

 「言い忘れていましたが、転生において赤ん坊からスタートするのでなくあなた  が、これまで生きた年齢で人間に転生しますので18歳前後でスタートすると

  思いますのであしからず。後、転生祝いで初期装備は最低限持たしておきます  ので、がんばてくださいね♪」

 「ちょっと待つにゃ!?

          すごく大事なことをさらっと話してるにゃーーー、、


###


 「おい!大丈夫か?生きてるか?」

体が揺さぶられている。

 「う、ううん、、」

目を覚ますと、そこには人の顔が目の前にあった。

 「うわ!誰だお前!?」

咄嗟に、後退してそいつの反応を見ていると

 「誰だお前とは失礼だな!こんなところで寝ているから起こしてやったのに」

 「そっそれは、すまない。感謝する」

 「おう、それでお前どうしてこんなところで寝ていたんだ?」

そう言われて、周りを観察してみると前にはキレイな湖があり後ろには大きな大樹がある。

その大樹の下で眠っていたみたいだ。

 「すまないが今、頭が混乱していて、、、少し考えさしてくれないか」

 「おう、いいぜ」

と、笑顔を向けて待ってくれたのでゆっくりと考えることができた。

状況を確認すると僕はしっかりと人間に転生できたのだろう、人間の手や足がありそして二足歩行もできるしそこは間違っていないだろう・・・?

 「すまないが、一つ聞いてもいいかな?」

 「おう、ここであったのも何かの縁だ、なんでも聞いてくれ」

 「ありがとう、ええとこの世界は頭に耳があり、お尻にしっぽがあるのがふつう  なのか?」

 「無い奴なんているのか?お前にも付いてるぞ見た感じ『犬』ぞくだな」

 「なん・・だと?」

すぐさま、目の前にある湖まで走って行き、自分の顔を写すとそこにはツンとした立派な『犬』耳があるではないですか。

あの、頭に響いてた声の態度が変わったのがやっとわかった。

しかし、まだ獣人は妥協できるしかし

 「な、なんで、なんでよりにもよって

         犬なんだにゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


こうして、第二の猫生は獣人(犬)で始まった。


                            To be continue・・

 






 




 


 









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