ふたつめ

「あれまぁ、大きくなったねぇ。」


 おばあちゃん、こんにちはー


「はい、こんにちは。ちゃんと挨拶もできて立派だこと。」


 おばあちゃん!うめジュースのみたい!うめジュース!


「はいはい用意してますよ。健太は毎回うめジュース楽しみにしてっからな。今年はまんずたくさん作ったんだよ。」


「おーい、健太ー 自分の荷物は自分で運べー」


 はーい!いまいくーよー!


 あぶないところだった、リュックをわすれていた。


「んじゃぁ、ばあちゃんは茶でもいれようかね。梅ジュースとな。お茶請けはなにがあったか。」


 やったー!クッキーかなチョコレートかな。


 きょうはおかあさんいないから、いっぱいたべてもおこられないぞ、ぐふふ。


「健太ー、もう車しめちゃうぞー。」


 わーまってまって、ぼくのリュックー


 あれ?


「健太ー、はよせーい。どうかしたかー?」


 おとうさん。これなあに?


「あー、鬼灯か、健太は見たことなかったっけか。この村の特産なんだ。今年から育ててるとか言ってたけど、随分植えたなー。」


 とくさん?


「そう、おいしいって有名なんだ。あーでもそれはまだ早いと思うぞ。」


 とくさんかー


 おいしいのかー


 でもへんなかたちだなー


 おばあちゃんにきいたらもらえるかなー






 うわっ!!!???


「はははっ、どうした?虫でもいたか?」


 おとうさん!だれかいた!むこうがわに!おんなのこ!


「ん?畑の向こうか?ここらに子供なんていたかな。どんな子だった?」


 わかんない......けど、おんなのこだった!


「ははは、まあ後でおばあちゃんに聞いてみようなー。」






 おかしいな。めのまえにいたとおもったんだけどな。


 このほーずきのむこうがわに。


 どこいっちゃったんだろ?

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鬼灯村 慢心工房 @zunda

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