第10話 大海さんの投げはもっちり



本日道場にて

ユズハ師匠と各位正座で

食パンを一斤スライスして、トーストする。バターを塗って試食・・・


孝一「!」

大海「!」


孝一「すごく、もっちりしてます。」

大海「もちもちしてます。」

ユズハ「これは商店街で評判のパン屋 持家ベーカリーの『もちもち食パン』よ。」




ユズハ「今朝、この食パンを食べて思った。真田流の投げにもこの『もちもち感』が必要ではないかと」


大海「?」


ユズハ「投げが角ばっていると、やはり投げられた対象もガッカリしてしまうでしょう? 投げも質感にこだわるべきなのよ。」


ユズハ「もちもちした投げ・・・口で説明するのは難しいわ、そうね、投げのもちもち感は大海ちゃんが一番うまいと思うの。さあ、大海ちゃん、水上君を投げてみて」



大海「・・・えい」




孝一「・・・」

大海「・・・」

孝一「・・・・ああ・・わかる・・・なんかもっちりしてる。」

ユズハ「そうでしょう。そうでしょう。」







大海(・・・なんだろう。あんまり嬉しくない。)







ユズハ「あら、どうしたの大海ちゃん」

大海「いえ、別に」



ユズハ「ああ、別に大海ちゃんの体格がもっちりしているという意味ではないわ。投げがうまいという意味よ」

孝一「確かに大海の体が接触したとき、もっちりしてたけど、別に太ってはいないぜ」



大海「・・・・慰めてくれなくていいです。」

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