キャラクターとは?
もし貴方が小説やシナリオを書くための本を読んだことがあるのならば、
キャラクターの履歴書を書いてみましょうと書かれていたと思います。そのキャラの家族構成や、趣味や、性格、学校生活、まぁ様々な事が書かれていたと思います。
私はやったことがありません。
と言うかやる意味がわかりません。
みなさん冷静に考えてください。貴方の友達でも好きなキャラでも何でもいいです。キャラが濃いなと思う人を思い浮かべてください。
貴方はその人の履歴書を読んだことがありますか?
私はありません。
履歴書を書くと言う行為はキャラを掴めない人が外堀を埋めていくための行為だと私は感じています。
人がキャラが立ってるなと思う瞬間と言うのは、その人が動いている瞬間か、喋っている瞬間のどちらかです。キャラと言うのは選択と行動の集合の結果です。
その集合の結果からこういう状況ならこのキャラはこういう行動を取るに違いない。そう思わせる事ができればキャラが立っている状態です。
キャラがどういった選択と行動を取るか理解でない為、履歴書を書いてどういう選択と行動をするかを理解するのでしょう。
なら最初からキャラが立つ選択と行動をさせましょう。
例えば生真面目なキャラを描写したいとします。
"彼は公園のベンチに座りながら貧乏揺すりをしている。これでスマホの画面を見つめるのも17回目だ。時刻は8:58まだ約束の時間まで2分ある。"
貧乏揺すりの持つマイナスイメージや、何度も時刻確認をする行為。そして実際には定刻にはなっていない。
これだけで彼が時間に対して厳しいことが解ります。たぶん怒りっぽい言うイメージを同時にもつ人も多いでしょう。
"約束の時刻から5分もたった頃だ。
「おまたー」
彼女のやる気の無い声は彼をイラだたせた。
「5分だ! 5分あったら何が出来る?」
「気の利いた良いわけぐらいは思いつくかな。まぁ聞いてくれないでしょうけど」
「当たり前だ! すでに時間を無駄にしたんだぞ!? これ以上無駄話をしてどうする? いまこうやって話しているのすら無駄だ! いいか!? 時は金なりなんて言うが時間を貯蓄する奴に成功した奴はいない。お前は俺の5分を返せるのか!?」
彼女はあまりのうるささに思わず耳をふさいでしまった。
周囲の人間達はちらりと彼を見るが、彼がぎょっとした目線を向けると何も知りませんでしたとばかりに過ぎ去っていった。"
こうやって持論も展開するとよりキャラが強固になっていきます。さらに時刻に厳しく怒りっぽいと言うイメージも同時に確立する事が出来ました。
貴方がどんな小説を書きたいのかは知りませんが、もしもキャラが立っていないと言われたのならば、そう言った描写の不足が原因だと考えられます。
さらにキャラを立てようと思うのなら別のキャラに全く同じ状況に合わせてみましょう。
”彼は公園のベンチに座りながら貧乏揺すりをしている。これでスマホの画面を見つめるのも17回目だ。時刻は8:58まだ約束の時間まで2分ある。
「スマホの画面見たって時間は早くなんねーよ。それよりあそこに居る子可愛く無い?」
青年は堂々と女性に指を指した。彼はそれを無視してスマホの画面をもう一度見る。時刻に変化は無い。
「女性に失礼な行為は止めろ! 恥知らずが。小学校で五分前行動が基本だとあいつは習わなかったか?」
「んなこったーどうでもいいよ。それよりスマホの画面から目を外せよ。好みの美人見逃すなんてそれこそ時間の無駄だ」”
青年は時間の遅れをさほど気にせず常識にも無頓着な女好き。彼の方は(青年に比べれば)常識的な人間と言う事も解ります。
こういった細かい行動の描写がキャラを組み立てていきます。
さらにそこからどうして時間に細かいかの描写も加えていけばより生き生きとしたキャラになっていくはずです。
例えば
カップラーメンをお湯を注がずに食べる。どうせ胃袋に入れるのだから3分待つだけ無駄である。
昔は時間を気にしていなかったが、昔待ち合わせしていた彼女が交通事故にあっていたので、遅刻すると何かあったのが不安になってしまうので時間を気にするようになった。
スケジュール通りに事が運ばないとスッキリしない性格であり、二分の遅刻で、スケジュール帳にさっそくスケジュールの変更を加える。
同じ時間に厳しいキャラでも随分と印象が変わってきます。どういう印象にしたいかは貴方が書きたい物語によって変わってくるでしょうが、物語の隙間にこういった描写を加えることによってキャラが生き生きしてくることは間違い無いはずです。
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