好感度120%の北条さんは俺のためなら何でもしてくれるんだよな…… 毎日SS(12月16日~31日)

 こちらは書籍化となりました『好感度120%の北条さんは俺のためなら何でもしてくれるんだよな……』の発売に伴いツイッター(@sekai_fondue)にて公開しておりました140文字以内で書いた書籍準拠のSSになっています。






12/16

「今日は電話の日ね」

「それよりも本日は北条殿の誕生日でありますよ!」

「え? そ、それはそうだけれど……」

「誕生日おめでとう北条、これ、虎尾と俺からのプレゼント」

「雅継殿が悩み抜いて選んだプレゼントでありますよ」

「余計なこと言うな」

「ありがとう……! 凄く嬉しい」


12/17飛行機の日

「雅継くんは空を自由に飛びたいと思ったことある?」

「そりゃ勿論、金もかけず短時間で移動出来るのは最高だしな」

「困ってる人がいたらすぐ駆け付けられるしね!」

「うん?」

「好きな人にすぐ会いに行けるのもいいなぁ……」

「ふっ、どうやら今回も完敗のようだな」


12/18北条さん書影公開

「雅継殿って普通にイケメンですよね」

「は? いや、親以外に言われた記憶ないんだが」

「はー、そういうのはいいですから」

「でもよ虎尾だって普通に可愛いじゃないか」

「ななな何を言って!? よくそんな恥ずかしげもなく……」

「え? あ――その……何かごめん」

「こ、こちらこそ――」


12/19世界初のPC発売日

「私タイピングが苦手なんだよね……」

「気持ちは分かるよ、俺も昔はキーボード見ながらゆっくり押してたしな」

「打つのは早くなったんだけどね、ほら見て? 人差し指でしか出来なくて……」

「人差し指だけで全部の指と同じ速度で叩くのは逆にすげえよ……」


12/20鰤の日

「北条殿は好きなネタとかありますか?」

「そうね、小鰭とか雲丹とか少し癖のあるものが好きかしら」

「はー大人でありますなぁ、私は子供舌ですからやはりトロとかサーモン、海老に後は帆立――あ!エンガワもいいでありますな!」

「ふふっ、お寿司ってどれもおいしいわよね」


12/21遠距離恋愛の日

「誰かを好きになるって幸せなのに辛いこともあるよね」

「確かに、必ずしも幸せとは限りませぬからな」

「それでも好きになっちゃうから恋なんだね」

「分かりますなぁ、私も愛する嫁が増えに増えて困ったものです」

「ほえっ? お、お盛んですね」

「えっ? あ、はい」


12/22冬至

「冬はどうして寂しくなるのでしょうか」

「寒いと気が滅入るからな」

「色んなことを考えてしまいます、お兄様が学校で何をされているのか、お兄様に変な虫が寄り付いていないか、お兄様が悪い女に騙されていないか、お兄様が女狐と――」

「緋浮美、それ多分いつも通りだから」


12/23

「おい雅継ちゃん、貴様イブは誰と過ごす予定なんだ」

「恐らく家族と過ごすかと、恒例行事なので」

「そうか、健全そうで安心したよ、是非私も混ぜてくれ」

「えっ? 嫌ですけど」

「か弱い乙女をイブの寒空に放り出すとは何事か! 先生は悲しいぞ!」

「本当に泣かないでくれます?」


12/24イヴ

「今年も兄ちゃんはクリぼっちかぁ」

「馬鹿言うな、戦略的撤退と言え」

「流石お兄様です!」

「あれ? でも兄ちゃん北条さんとは何も無いの?」

「え? いや何言って――」

「お兄様……? あ、成る程、殲滅作戦の間違いだったんですね、では早速包丁を」 「戦場のメリークリスマス」


12/25クリスマス

(家の都合で雅継くんをデートに誘えない……)

(でもこれを逃したら……)

「あ、そうだ、北条」

「?」

「プレゼントというか、マフラーをくれたお返しに」

「これって、ヘアピン……?」

「誕生日と一緒は悪いし、良かったらだけど」

「……好き、結婚して」

「えっ!?」


12/26プロ野球誕生の日

「雅継殿は好きな球団はありますか?」

「見るのは好きだけど、ファンと言える球団は無いかな」

「でも阪人が試合に勝ったら?」

「何か嬉しい」

「巨神に負けたら?」

「何か悔しい……はっ!?」

「分かりますよ雅継殿……親の洗脳教育とは怖いものでありますな……」


12/27ピーターパンの日

「雅継ちゃんはいつまでも子供でいたいと思うかね」

「え? いやまだ大人になってないですから何とも……」

「ふっ……大人なんてな、ロクなもんじゃないぞ」

「ですが先生には大人の魅力を感じますけどね」

「……え? つまりそれは結婚してくれるということか?」

「社交辞令」


12/28仕事納め

「あまり私達には関係のない話かしら」

「うーん……まあ、そうだな」

「……ごめんなさい、もしかしてあまりご両親と仲が良くないのかしら」

「いや、寧ろ良好なぐらいなんだが、ただ、その――」

「……?」

「い、妹達があんまり甘えてくれなくなるから……」

「このシスコンが」


12/29肉の日

「焼肉は最高ですな!」

「お肉は私も煩いわよ、神戸ビーフは最低でもA5よね」

「え?」

「赤身とサシが絶妙なヒウチ、これなしにお肉を語るなんて……虎尾さん?」

「た、食べ放題は死罪でありますか……?」

「わ、私も丁度食べ放題に行きたかったのよね……だから泣かないで」


12/30 C95

「あんまり同人誌は詳しくないかな」

「ひかりみたいなタイプは馴染みがないしな」

「気になるけど何が良いとか分からなくて……そうだ! 虎尾さんにオススメを聞いてみようかな!」

「!? い、いや、ひかりはそのままが一番良いと思うぞ」

「え!? な、何でそんな急に……は、恥ずかしいよ……」


12/31大晦日

「今年も一年ありがとうございました」

「来年も宜しくお願い申し上げまする」

「では今年最後に雅継くんで温もって締めましょう」

「何を言って――ちょ! あ、当たって――」

「むぅ~……あ、こ、こんな所に湯たんぽが、え、えいっ!」

「ち、ちくしょう! 寒さに凍えて全く抗えないぜ!」

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