第17話

「どうして名前を知っているのですか?」

今までずっと探していたとはいえ、いざ対面するとやはり緊張する。しかも相手は可愛らしい女の子だ。悪印象を与えないように気を付けなければ。

しかし顔だけじゃなく、首をかしげる仕草までもあの先生そっくりだ。


「先生に聞きました。書類を渡しそびれてしまったようなので代わりに届けに来ました。」

"僕の場所”に停めていた赤い自転車の持ち主を探していた、なんてことは口が裂けても言えない。

「そうだったのですね!わざわざありがとうございます!先ほどはぶつかってしまってすいませんでした!」

「気にしなくて大丈夫です。ところで見たところ違う学校のようですが…?」

「ここの学校にいる姉に用があって来ました。人使いの荒い姉ですいません。」

人使いの荒い姉…?



”ツッコミたがるね。その辺もマオに似てるよ。”

”マオ?”

”弟。”


”何ニヤケてんの~?あ、もしかしてさっきの子?可愛かったよね~?紹介してあげようか?”


おいおいまさか…


(byらゆと)

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