間違えやすい日本語表現
澤田慎梧
1.はじめに
文章を沢山書いていると不意に浮かんでくる、「あれ、この単語はこの用法で良かったっけ?」「この表現って正しかったっけ?」という疑問。慌てて辞書を引いてみると「やっぱり間違ってた!」なんて覚えは、誰しも少なからずあるのではないでしょうか?
かく言う私も、ナチュラルにとんでもない誤用をしている事が多々あり、カクヨム投稿作品の執筆にあたっても辞書が手放せません。かなり気を付けてチェックしているつもりですが、投稿してしばらくしてから間違いに気付く……等と言う事も何度かあり、今でも無自覚に放置されている誤用の数々が眠っている可能性も。
そう言った事も手伝ってか、他人様の文章を読んでいる時にも「あれ? この人のこの表現、間違ってない?」等と思ってしまう事が多々あり、いちいち辞書で確認する事が癖になってしまっています。
他人の粗探しをしているようであまり褒められたものではありませんが、こういった地道な確認が文章を書く上での自らの血肉となるのも事実。
ただし、「言葉の間違い」というものは簡単に判別出来るものではありません。
「これはただのミスタイプ? でも、その割には何度も使ってるし……」
「いやいや、これはあえて普通とは異なる使い方をしているのでは? 他の所では本来の意味で使ってるし」
「ああ、これは辞書にも注釈が付くくらいのよくある間違い! でも、一般的にはこっちの意味の方が通じるし……」
等など。その作品の作者ならぬ私には判別出来ぬ、微妙な表現に出会う事も多々あります。作者さんに直接聞けば早いのですが、「これ、間違いでは?」だとか「これは斬新な表現ですね!」だとかメッセージを送るのは、場合によっては失礼にもなりかねず……。
一人モヤモヤと悩むことも。
本シリーズは、そういったモヤモヤが募ってしまった筆者が、今まで自分でやらかしてしまったものや、カクヨム内等で見かけた「分かりやすい」誤用の内、頻出のもの――つまり「間違えやすい」ものについて簡単な解説をしてモヤモヤを解消しようという、極めて自己満足な目的がきっかけで始めました。もちろん、他人様の作品内で見かけたものについては、作品名・作者名については伏せる事とし、直接の言及は避けて、ではありますが。
基本的には、「辞書的な意味」に準拠したものを、便宜上「正しい用法」として扱いますが……言葉というのは生き物であり日々変化するもの。「絶対的に正しい用法」というものは存在しません。同様に「絶対的に間違っている用法」というものも……。
ですので、「今日においてより望ましいとされる用法」、あるいは「広く一般に伝わりやすい用法」として受け取って頂ければ幸いです。
もしくは、本作品内での解説に疑問を持って、自ら「日本語表現」という名の大海原へ船出するきっかけとしていただくか……。日本語というものの難しさ――難しいからこその楽しさ、奥深さを、少しでも伝えられればと思います。
辞書に採録されるのは相当先であろう、web小説独特の表現手法についても、折に触れ調査・解説していきたいと思います。
なお、各エントリーで挙げる例文は元作品からそのまま引用するのではなく、「こういった使い方をしていました」という事を紹介する為に、元のニュアンスをなるべく維持しつつ私が書き直したものになりますので、予めご了承願います。
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