第6話 合流したい

『お湯ラーメン2(通) 通 身内に悩む』を読んだ後でお読みください。


 カラオケボックス、とりあえず写メを送れとのことだったので、通と同僚の写メを送る。

「カラオケなう」


「くっそワロタ」


 しばらく、歌いながら、話しながら、彼女とメールを繰り返す。

「参加したい!」


 嫌だ、カオスになる。

 とりあえず、参加は諦めてもらって、しばらく歌う。

 全員、車なので酒は飲まない。


「ってかさ、まだいるの?若いね」

 すでに3時間が経過していた。


 それから2時間後、カラオケボックスをでる。

「おやすみなさい、久しぶりに友達と楽しめて良かったね」


 駐車場で、通に呼び止められた。

「コレやるよ」

 差し出してきたのは茶碗?いや茶道で使う茶碗だ。

「なにコレ?」

「茶碗」

「うん、お茶飲むヤツだね」

「あのね、俺、なんであの店いたかと言うと洗濯機の調子が悪いんだ、で水平に置いてないからかと思って、土台になるような合板みたいなの探してた」

「洗濯機って調整できるよね」

「無理なの、足の長さが足りないの」

(どんだけ斜めなんだよ)

「で買ったの?」

「いや売ってない」

「ホームセンター行け!昔務めただろ、解れ!そういうのはリサイクルショップにはない……で?なぜ茶碗?」


 通の話では、レジで合板を聞いていると、若い男が茶碗を大量に持ち込んできて、すべて買い取り拒否されたのだそうだ。

 通は、自分の御飯茶碗が欠けていることを思い出し、駐車場で若い男に声を掛けた。

 色々話すうちに全部買い取ったそうだ。

「茶碗?いくつあるんだ?」

「15個くらいかな?」

「御飯茶碗ひとつもないよね」

「うん、いいんだ、気に入ったんだ」

「いくらで買ったの?」

「2500円」

「あぁ~ソイツもうけたね」

「いいんだよ!金に困ってんだろ」

(お前もだろ!)


 使い道がないが、とりあえず強引に手渡された。


 写メを撮って、そんなメールを彼女へ送る。

「使いなよ(*´-`*)」

(どういう意味だろうか?この顔文字……)

 とりあえず、この茶碗、今度逢ったら彼女に引き取らせようと決めた。

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