自由すぎる祓い師はいかがですか?

第1話

チュンチュンと小鳥達の さえずりが聞こえ外はとても晴れていた


とあるBARの二階から

制服姿で降りてきた岸和田 きしわだネハル


ジューと目玉焼きを焼いているのは

月華 つきはな ひびき


「朝飯もうちょいまってくれな、ネハル」

「は、はぃ!」

「あー、お腹弱体化だぜ」


ガチャリとトイレから出てきたのは

菰野薗このぞのいばら


「そこに薬あるんだからいい加減飲みなさいよ」

「飲ませてくれる?」

「はぁ……わかったわ」


渋々返事したのは

今泉 いまいずみ あん


「ほら、早く食べないと遅刻するぞ」

「響さん、俺のは?」

「…さ、開店の準備でもするか」

「え?無視ですか?……」


いただきます!


「んー、おいしい」


すると

カランカランと店のドアが開いた


「すいませんがまだ準備中でして」

「娘を…娘を助けてください!娘が!」

「杏」

「わかったわ、お話を聞かせてください」


混乱している女性に杏は優しく話しかけ

奥の部屋に連れていった


「んじゃ、私は学校行ってきます!」

「おう、気を付けるんだぞ」

「はぁい」


私たちの仕事は

憑き物退治

ま、祓い師とも言うけど


見習いだとかあんまり豊富ではない人がいきなり憑き物に立ち向かったら飲み込まれる可能性があるので

経験豊富な祓い師で構成されてある場所で勉強するのが義務づけられている




経験の浅い私は

3人に拾われ学ばさせてもらっている


「昨日は屋上から飛び降りたっけ…怖かったな」


ひっひっひ


「?」


声がしキョロキョロすると

目の下にクマが出来ている少女がたっていた

よく見ると黒いモヤが体に巻きついていた

そして、右手には包丁


さぁ、やろうぜ娘よ


雪猫 ゆきねこちゃん!」


右手をつかみ、真っ白い猫がニヤァァァンと鳴くと、憑き物は動けなくなった


貴様!祓い師か!


「動きだけでも」


でも、これは物凄くヤバイ憑き物

響さん達の所に連れていった方がいい


ひゃひゃひゃひゃ


「!?」

「何もかも…消えればいい……」

「お前の力はきかんぞ弱っちい祓い師よ!ふははは!」


さぁ、殺せ娘


手を振り落とされ

向かいからベビーカーを押してる女性に向かって走り出す


「!」


間に合わないネハルはそう思った

しかしそんな時だった


「はい、セーフ」

「いばらさん!」


横からひょっこり現れたかとおもうと

少女のみぞおちを殴り気絶させた


「…女を殴るのは しょうわんな」


ベビーカー押していた女性もポカンとしている


「怪我はないですか?」

「は、はい」

「貴方余程運がいいですね」


間に合わなかったら確実に首元刺されてましたよ 少女を担ぎそう言った


「ネハル、お前は学校いけ…」

「え?」

「浪人するぞー」

「い、いってきます!」


おうおう、変な憑き物には気を付けろよー


「はいぃぃ!」


そしてネハルは遅刻した…

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