チェスのように

どんどん責められて焦りを増するベロニカ。

オセロ?そんなの圧勝だった。

今はチェスをしているんだ。

相手は後キング、クイーン、ルーク。

チェックメイトは近い。


















だが、何かが不自然。

目の前のベロニカは、まるで奥の手があるのかと思う位、余裕がまだ感じられた。

嫌な予感なのは間違いないに決まっている。

あ~あ、ビショップやられちゃった。

でも大丈夫。

これで終わり。


ミカエル「チェックメイト。」


っと言った瞬間、ベロニカは笑い出した。


ベロニカ「あは、は、あはははははははははははははははははははははははは!!!!」


狂ったように笑っていた。

ボクは何も言わない、ただ見つめていた。

だけど、見下ろしていたっていうのもあったかもしれない。

バカを見るような目で、見つめていた。

無表情で。ただ見つめていた。


ミカエル「無駄な足掻きだ。観念しろ。お前は罪を犯した以上、何もできない。」


と言った後、こう、四大天使に向かって言っているんじゃない、ボクに言っているように聞こえた。


ベロニカ「バカねぇ。死刑でも何でもいいのよ。だけど、アンタを殺せばいいのよ。」


と言いながら、出したのは、



ただの弱い魔法のための本。

初心者用なのが分からなかったらしいね。


ミカエル「バカなのはそっちだね。」


ベロニカ「チッ!そんなこと言えるのは今のうちよ。」


何が今のうちだ。ボクは伊達に大天使やってないんだよね。


ベロニカ「

我、清き心の持ち主

我、其方の力を求めし者

今其方を召喚する

出でよ、異才の剣士

カルア



光に包まれた裁判所。

他の天使達は逃げていった。まだ何人か残っているが。


カルア「お初です。ご命令を。」


ベロニカ「アイツを殺せ。」


カルア「ですが、しかし」


ベロニカ「何?そんな事も出来ないの?」


カルア「承知しました。」


それにしても、カルアか。アイツの弱点は簡単で単純。

ボクは剣を取り出した。





ミカエル「エペー・デゥ・シエル・エトワレ! ‐星空の剣‐」


カルア「きゃああああ!」


そう叫びながら倒れたカルア。手加減をしたから大丈夫な筈。

そしたら、ベロニカに目をやったら、怯えていた。

ライオンを前にしている鼠のように。

そしたらこう言った、


ミカエル「ラファエル、ウリエル、ガブリエル、

今起きたことは、現実だよね?」


ラファエル「私の見たものは現実。」


ウリエル「ラファエルと同意見です。」


ガブリエル「同じく。」


ミカエル「これで決まったね、お前の与えるべき罰。」


ベロニカ「なんで!?私は悪くない!?」


ミカエル「自分の子を殺しておいてよくそんなことが言えるね。それに、今、ボクを殺そうとしたよね。」


ベロニカ「あ!」


ミカエル「もう遅いよ。」


ベロニカ「嘘よ!嘘だ!嘘つき!」


ミカエル「今、大天使達が見たのだから、嘘ではないよ。」


ベロニカ「うそだあああああああ!」


そして、また、ボクに攻撃をしようとした。

本当に懲りないやつだね。


ミカエル「Stupide humain. Naif et stupide. ‐バカな人間め。愚かでバカだね。‐」


そう言って攻撃を止めた。彼女は崩れ落ちた。


ミカエル「ハルート、マルート、こいつを地獄に送ってけ。」


ハルート「了解」


マルート「致しました。」


ハルートとマルートに連れていかれるベロニカ。


ミカエル「お前の罰は死刑だ。」


ベロニカ「嘘よ!間違いよ!」


まだ言っているんだ。現実を見れない人は苦手なのよ。























ミカエル「運命に従え。」

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