デモ★様
夏川 大空
第1話 契約完了!
どんな球団にもいいところはあって、例えばある球団なんかは「優勝したら人が泳げないほど汚れた川で死人がでる」ぐらい喜ばれるらしい。
0勝13敗。
そんな俺の
あきらめないこと。
キモがられようが彼氏がいようが実は既婚者でした♡だろうが、ともかく俺は「それでも話はしてくれた」だの「俺を見て笑ってくれた」だのプラスの方向にもってって、「よしっ、次へ行こう!」と前向きに進む。
というか俺の名前自体が
とっとと次行って前回の反省点活かしつつ、なんて考えなくても恋に落ちてるから全く問題はない。
でも今回はそんな俺でもダメージでかかった。
高二という俺の同学年にして「オランウータン」なんてあだ名される……じゃなく名前に反して目立たない
図書委員で眼鏡で密かなファンも多いと聞く。
これこれ、こういうのこそ俺の好み。
本の話を沢山して、まずは『いいお友達』になって。
勇気を出して聞いたメールアドレス。
送れど送れど、デーモンメール。
「MAILER-DEMON@×××.ne.jp
エラーレポート
2016 ×× ××
送信されたメッセージはお届けできませんでした。
送信日時: Sun, ×× ×× 2016
17:24:32 +0900
宛先:---------
件名:今日これから暇?」
そんなわけで、俺は携帯とにらめっこ。
「おかしいなぁ……」
ピッ、とまた送信する、またデーモンメール。
「話した感じはそんな嫌われてはなかったんだけど……」
ピッ、またデーモンメール。
「メアド入力間違えてるとか?」
念のため雅ちゃんのメアドを書いてもらった可愛いメモ帳を見たが、間違ってはない。
「あ~ぁ、17敗目だよ。まぁいいか、今回はメアド聞けたし」
俺はゴロンと、自室で横になる。
「次はこういう巨乳のおねぇ様がいいなぁ」
部屋には無造作に漫画雑誌が置いてあって、巨乳のグラビアアイドルが豊満な果実を惜しみもなく水着で披露している。
俺はごろごろしながら暇なついでに我ながら馬鹿なことを言い出した。
「そうだ、確かこういうセクシー悪魔おねぇ様の出てくる漫画があったなぁ」
パラパラと漫画雑誌をめくる、あった、あったよ。これこれ、こういうのこそ俺の好み。
「こういうおねぇ様口説いてるつもりで、これに返信しちゃえ!」
デーモンメール。
本来は「送信できませんでした」と教えるだけの無機質な代物。
しかし。
カタカタと我ながらこそばゆい口説き文句を送信していると。
ピッ、と携帯が光り。
次の瞬間、俺の携帯からひっつめたツインテールで猫みたいな瞳、牙の見える口、半そでの形に焼けた素肌に「りりす」と書いたゼッケンを張ったスクール水着を着た、どう考えても俺の守備範囲外なロリータが俺の前に現れた。
「契約完了!あんた、口説き文句なってないよ?」
ずい、と迫られても、なんせ○学生かと思うような幼い外見では全く迫力がない。
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