ある小説家のいいわけ日誌。

あき @COS部/カレー☆らぼらとり

2016年

自称小説家 vs 無職

ただ呆然としていても物語は生まれないので、とりあえずPCの前に座ってみることにする。マウスは動かせるのに、一向にキーボードには指が進まないのはご愛敬。最近ブラウザのホームをヤフートップに変えたのが非常に助かっている。速報、エンタメ、国内、国際、経済、スポーツ、地方。一通りニュースをチャックしたが、それでもどうにも文章が書けそうにないので、次はただひたすらにメールボックスをチェックする。受信メール0件、迷惑メール6件。一応、迷惑メールフォルダ開いて、送信者とタイトルを確認、その後フォルダを空にする。咽喉が渇いたと言って席を立ち、冷蔵庫からドクペ缶を出してくる。やっぱりコークよりドクペだよねって一息ついて、気づいたらソファで呆としている。


上記の生理行動を4, 5回繰り返してかれこれ二時間半、増えた文字数43文字。どうして、アイデアが思いつかないのだろう。



いや、あるんですよ、アイデア。

頭の中には、こう、壮大なスペクタクルが繰り広げられているわけですよ。ヤレヤレ系主人公がツンデレヒロインと旅をして、世界を闇に貶める魔王を倒しに行くお話。

でもですね、でもですよ。

しっくりくることばが一向に浮かんでこないわけですよ、はい。


いや、浮かんではくるんです、設定も。

でも、ラノベ的に言うと冒険ものって月並みじゃないですか。なので、もっと内容を盛らないといけない気がして、この時間をかけて設定を詰めてみたんですよ。そしたら、いつのまにかヒロインの名前が長くなるだけという結果になったんですよね。


 スカーレット・マグワイヤ=アウトリヒト・ガボ・ビンチ・フンベルト。


ジュゲムの外国人版目指すのは辛うじて諦めたものの、中途半端感。

そして、この人、何人?



最初に椅子に座り始めてから、三時間が経とうとしているのに、どうしてでしょうね。キーボードに触る手が一向に進まない。数文字打ってはバックスペース、数文字打ってはコマンドZ。わたしが素直じゃないから、ひとつひとつことばに変換することができないんですかね。

あーあーあー、ああーああー。ことばに、できなーい。

冗談はいいから、わたしの想像力よ、働いてください(ニッコリ)



そんな私ですが、フリーターじゃ格好がつかないから、同窓会では小説家って言ってます。小説家ってのは、嘘じゃないもん。自称なんだから、なんだって言っていいよね。


ああ、でも、何か警察のお世話になったりすると、住所不定自称小説家とか言われてしまうんだろうか。

住所不定自称小説家。知らない人にまで馬鹿にされそうな肩書だということぐらい自分でもわかってしまう。むしろ住所不定無職の方が潔いのかもしれない。


うーむ。


でも、無職と小説家の違いは意外と大きいぞ。

働いているか働いていないかで言うと、小説家は働いている。社会のために何か生産しているのである。

一方、無職はどうか。


うーむ。


社会貢献度で言うと、わたしも無職なのかもしれない。現にわたしの想像力は働いていない。底辺小説家はやっぱり無職と同意義なのだろうか。わたしは社会に対してどのような付加価値を提供したいんだろう。考えてもわからんなあ。


考えるより、世界もとよりわたしがおもしろいと思うものを提供したら、それだけで意味があるのかもしれない。

たとえ、多くの人がわたしの文章をゴミだと思っていても。


同窓会では「今度小説見せてね~」っていろんな女の子から言われるけれど、絶対興味ないだろうな、わたしのゴミ文章。

結局、ミーハーなだけだよな、あいつら。



結局、バイトに行く時間になったので、今日もほとんど進みませんでした、まる。

明日やろうは馬鹿野郎というけれど、ぼくは馬鹿でいいかもしれない。

小説家って、馬鹿じゃなきゃとっくに諦めている夢だろうから。

ということで、明日のぼくに期待。



明日は明日でFPSとかやってそうだけれど。

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